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3実践的で内容が良い教材を準備する社長にとって必要な学習テーマの教材

 社長の学習成果は、次の公式で決まりました。社長の学習成果 =社長の素質 ×教材の質 ×学習方法 ×学習回数または学習時間  では、成果を決定づける 2番目の項目、「教材の質」について説明しましょう。  教材を揃える前に、従業員 100人以下の会社の社長はどんなテーマの教材を揃える必要があるか、これをはっきりさせておく必要があります。  従業員 100人以下の社長は、次のようなテーマの教材を準備しなければなりません。 ①経営の全体像と経営を構成する大事な要因について説明した教材。「着眼大局、着手小局」という教訓があるとおり、何かを研究したり実行したりするときは、まずその全体像をきちんとつかみ、全体をイメージしながら先に進むと、見当違いの方向に進む心配がなくなります。 ②経営規模の大・中・小・零で変わる、社長の役目について説明した教材。社長が責任をもって担当すべき役目の誤解が、業績不振の大きな原因になることが多いのでこのテーマも欠かせません。 ③利益性のよしあしが根本的に決まる「利益性の原則」について説明した教材。 ④戦略と戦術の違いを詳しく説明した教材。戦略と戦術の区別がつかないと、経営規模の大・中・小・零で変わる社長の役目もわからなくなります。しかも、ほとんどの人は仕事の内容が見える「戦術」だけが経営の大事な仕事と思い込んでしまうので、まともな経営システムはつくれません。 ⑤強者の戦略と弱者の戦略の違いを詳しく説明した教材。ほとんどの人は、強者の戦略が正しい経営のやり方であると強く思い込んでいます。倒産原因の 7割 ~ 8割はこの思い込みにあるので、社長の立場にある人は必ず、この2つの戦略についてマスターしておかなければなりません。  この ①~⑤までが、基本のテーマです。これらのテーマは理屈っぽいところが多くなるので面白くはないのですが、これらを学習しておかないと良い経営システムをつくることはできません。  では、 ⑥以降を説明します。 ⑥弱者の商品戦略を中心に、商品対策の基本的なルールを説明した教材。 ⑦製造業や建設業では製品を加工したり工事をするときに欠かせない、作業の工程づくりと作業技術について説明した教材。 ⑧弱者の地域戦略を中心に、地域対策について説明した教材。訪問型の営業では営業パーソンの経費が割高につくので、地域戦略を研究しておかないと業績を良くすることはできません。 ⑨弱者の業界戦略と弱者の客層戦略を中心に、業界と客層対策について説明した教材。小売業と飲食業では、客層対策の研究が重要になります。 ⑩弱者の営業戦略を中心にした、新しいお客をつくり出すための全社的な営業対策の教材。 ⑪訪問型営業では欠かせない、販売戦術力の高め方について説明した教材。 ⑫一度取引したお客を維持する、顧客維持対策について説明した教材。 ⑬弱者の組織戦略を中心にした、組織対策について説明した教材。 ⑭従業員 100人以下の会社を対象に、弱者の従業員教育戦略について説明した教材。「従業員教育が何よりも大事」と考えている社長は、弱者の教育戦略の学習が欠かせません。ところが実際を見ると、これを研究しないまま従業員をいろいろなセミナーに参加させている社長がたくさんいます。これでは経費と時間を使った割に、業績向上にはほとんど役立ちません。 ⑮弱者の資金戦略と経費戦略を中心に、資金配分と経費配分対策について説明した教材。特に、製造業のように機械や設備など製品をつくるための「生産手段」に多くの資金が固定化する業種では、資金配分の教材が欠かせません。また、訪問型営業を主とした業種なども、営業経費が割高につくので、経費の配分について説明した教材が欠かせません。 ⑯ 3級程度の簿記や会計について説明した教材。経営活動をした結果は B/ Sや P/ Lに表わされます。自分が行った経営活動のよしあしをチェックするには簿記知識が欠かせません。 ⑰弱者の時間戦略を中心に、時間管理について説明した教材。社長の素質が高くない上に業歴が 10年未満の社長にとっては、この教材が特別大事になります。 ⑱社長の経営に対する願望や熱意、向上心を高めるための教材。 ⑲社長のリーダーシップを高める教材。従業員にヤル気を出して仕事をしてもらうためには、必須の教材です。 ⑳人格を形成するとともに、奉仕の心を高めるための教材になります。 ㉑健康管理の教材。栄養管理、睡眠管理、ストレス管理、家庭の維持管理が必要です。これらは経営と直接関係ありませんが、長期的に熱意をもって経営を実行するには、健康こそが重要なのです。

以上の 21項目が、従業員 100人以下の会社の社長が学習すべきテーマであり、準備すべき教材の種類です。「エッ。学習すべきテーマはこんなにいっぱいあるのか!」と、早くも腰が引けてしまう人もいるかもしれません。しかし、従業員 100人以下の会社の、それも弱者の社長にとっては、これらのテーマぜんぶが「重要な経営課題」になるので、省略はできません。  ⑥以降については、お客づくりの仕事と直接関係がなかったり、業種から見て重要度が低いものは、もちろん後回しにしてかまいません。お客づくりに直接関係があるもの、重要度が高いものから順々に学習していけばよいのです。  そうはいっても、多くの会社にとって外せないのは、やはり商品戦略です。  商品戦略をきちんと学習してない社長は、一見儲かりそうな商品が出てくると、本業と全く関係がなかったとしても、欲につられて簡単に手を出してしまいます。  しかし本業と全く関係がないものは、運営のやり方も管理の仕方もわからないので、たいがい大赤字を出した挙げ句に撤退、ということになります。  ⑧の地域戦略も重要です。  特に訪問型営業の会社で、社長が地域戦略を学習してないと、「営業地域を広くすると地域の市場規模が大きくなるので、売上も利益も増えるはずだ」と錯覚し、営業地域を経営能力の 3倍も 4倍も広げてしまうケースがあります。  ところがそんなことをしても、営業パーソンの移動時間が増えるだけです。移動時間は、お金がかかるだけで、 1円の粗利益もつくりません。  その結果、残るのはやたら道路に詳しい営業パーソンと赤字の地域ばかりということになり、社長は自滅する形で経営に失敗します。これは訪問型営業に限らず、小売業や居酒屋など店舗型の業種で「多店舗展開」をするときも同じです。  ⑬の組織戦略や、 ⑮の資金・経費戦略も欠かせません。   4 ~ 5人の部下をもってはいるものの、自分も得意先を何件も抱えてあちこち忙しく走り回っている「伍長」にすぎない人を勝手に「幹部」と考え、チームの売上責任や利益責任を押しつけてしまっている社長がたくさんいます。  そして目標が達成されないと、伍長にすぎない人を集めて「君たちのヤル気がないからこうなった」と、厳しく説教をするのです。その結果、社長と従業員の人間関係が悪くなり、やがて仕事ができる人がお客をもって独立します。こうなれば売上が減少するので業績が悪くなり、そのうち危ない会社になってしまいます。  私はこのような事例を、いくつも見てきました。  資金・経費戦略でいえば、製造業で機械や設備などに多くの資金を必要とする業種の社長が陥りがちな落とし穴があります。  社長の経営の拡大意欲は非常に強いけれど、会計や財務戦略がニガ手、というケースでは、「コストダウン競争に勝つには性能が良い機械が必要だ」と考え、自己資本比率を無視して高額な機械を増設しがちなのです。  そしてその結果、固定比率が高くなりすぎて資金繰りが狂い、やがて危ない会社になってしまいます。  そんなふうにならないためにも、従業員 100人以下、特に 50人以下の会社の社長は、フルラインの教材をひと通り揃えておく必要があるのです。

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