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3種類の学習方法の、どれが自分にふさわしいか?

  39野と 40野の兼任能力が高い人は、本を読んで学習するのが合っています。学校時代の成績が良かった人です。  このタイプの人は経営書を読むスピードが速く、本の内容の中で特に重要なのはどの部分か、要点をつかみ取る能力にも優れています。記憶力も良いので、内容が良い本を 3、 4回も読むとそれが身につきます。  このタイプは CDや DVDはテンポが遅くてまどろっこしく感じるので、こういう教材で学習することは滅多にありません。   39野と 40野の兼任能力が低い人は、 CDなどの録音教材で学習するのが合っています。  本を読むスピードが遅い上に、要点をつかむ能力も低く、しかも記憶力も弱いので、内容が良い本でも、 3、 4回読んだくらいでは身につきません。  しかし「聞く能力」は他の人と同じように備わっているので、 CDを何回も何回も聞いていると、あるとき大事な要因が一気にわかってきます。何回も聞いていると記憶力も高まってくるので、仕事に応用できるようになります。  そのあとで、改めて本やテキストを読み直せば理解がより深まるでしょう。つまり、文字に関する能力が低い人にとっては、録音教材で学習することが学習の差別化になるのです。【私、竹田陽一の体験談】  ではここで、私の体験を紹介しましょう。  私は 28歳のとき、それまで勤めていた会社を辞め、企業調査会社に転職しました。仕事は中小企業の信用調査です。  調査した結果を、所定の用紙にまとめてレポートをつくるのですが、私は文章を書くのがひどく下手で、誤字や脱字が多いため、上司からはいつも注意されていました。だんだんとその仕事にも慣れてはきたのですが、 1年くらいたった頃、信用調査の傍ら、飛び込み訪問による新規開拓も担当することにしました。  そうしたのには理由がありました。私には、企業調査会社に転職する時点ですでに 2人の子供がいましたが、転職前は 3カ月くらい失業し、米を買うお金はもちろん、靴の底に穴があいていても新しい靴が買えないほどお金に困っていました。調査だけの仕事の給料では、その貧乏暮らしから抜け出せないと思ったのです。  新規開拓であれば、売上高に対して 5% ~ 15%の営業手当が出ていたので、これで収入を増やそうとしたのでした。  私は調査会社に転職する前、 3年ほど建築材料の営業パーソンをしていました。山陰に出張し、益田駅で帰りの急行を待っていたとき待ち時間があったので、駅前にある本屋に立ち寄りました。そのとき何気なく手にしたのが、フランク・ベドガーの『私はどうして販売外交に成功したか』という本でした。  帰りの急行列車の中で読み始めると、その内容にグングン引き込まれていき、すっかりベドガーのファンになったのです。  ベドガーはプロ野球の選手をしていましたが、試合中に右腕を骨折して野球を続けられなくなりました。その後、彼は、職を転々とします。中学しか出ていなかったので良い仕事につけず、給料も安くてひどくお金に困っていました。そして最後に出会ったのが、生命保険の販売でした。  生命保険の勧誘はたいていの人が嫌がるので、離職率が高く、ベドガーも 3年くらいは実績が上がらずとても苦しい生活をしていました。しかし苦労の末に高い販売技術を体得し、全米でトップの成績を上げ、 41歳の頃には破格の別荘が買えるまでになっていました。  ベドガーはこの本以外に『優秀者への道――セールスマンの秘訣』という本も出していたので、私はその本もすぐ買いました。セースルトークについての専門書で、あとでわかったのですが、プロセールスをめざすほとんどの人が、この本を応用してセールストークを組み立てていました。  そして私もまた、これらの本を研究して建築材料店の新規開拓を始めた結果、新しいお客が順調につくれるようになったのです。ですから、転職した調査会社で新規開拓を始めたときも、参考にしたのはフランク・ベドガーの本でした。  始めてみて、わかったことがありました。当時、福岡で信用調査会社の営業をやっていた人は、私が勤めていた会社の 30人を含めて 200人くらいいましたが、その中で飛び込みで新規開拓をしているのは私だけだったのです。  これはチャンスということで、信用調査の仕事の合間を利用しては、飛び込みで新規開拓を続けました。その結果成績はグングン上がり、社内で 1番に、

3年後には九州で 1番に、 5年後には全国で 1番になれたのです。  私はさらに販売技術を高めるため、販売関連の本を買ったりセミナーに参加したりしましたが、フランク・ベドガーの本よりも優れたものはありませんでした。だから思うようにいかなくなると、彼の本を読み直しては、販売のやり方に修正を加えようと考えました。  しかし信用調査の仕事を当たり前にやりながら、その合間を見ては飛び込みで新規開拓の仕事もしているので、身体的にはとても疲れます。本を読もうとしても、寝る前にせいぜい数ページしか読めません。  何か良い方法はないか、あれこれと考えたとき、ある方法を思いつきました。それはフランク・ベドガーの『私はどうして販売外交に成功したか』を 1冊丸ごと、アナウンサーに録音してもらうということでした。カセットテープを聞くのなら、疲れていても学習できると思ったのです。  早速、知り合いのアナウンサーに頼んでみましたが、「忙しくて、とてもムリです」と断られました。それでも諦めず、「何とかお願いします。助けてください」と何度も懇願したところ、シブシブ引き受けてくれたのでした。  今からおよそ 40年ほど前のことで、お礼は当時で 10万円を払いました。今なら 20万円 ~ 25万円になるでしょうか。  片面 45分のテープに録音してもらったものを 30分のテープに編集、終わりには 2分 ~ 3分の音楽を入れて聞きやすくしました。  そうしたあとでテープを聴いてみると、とても都合が良いのです。テープなので、朝、顔を洗ったり髭を剃ったりするときでも聴けるので、学習がはかどります。そこで、『セールスに成功する秘訣』も、 1冊丸ごと読んでもらいました。  ベドガーの本には、「講演活動をすると、飛び込み訪問ではとても会えないスジの良い会社の社長と出会える」  とありました。「なるほど、すぐにやってみよう」と思った私は、お客サービスの一環として、得意先の販売担当者を対象に「危ない会社の見分け方」というテーマで講演を始めようと考えました。  しかし講演といっても、どう話せばよいか全くわかりません。このときはダイヤモンド社から出版されていた、デール・カーネギーの『カーネギー話し方教室』という本が参考になりました。  ところがいざ講演となると、ひどく上がってしまってうまくいきません。そこでまた、デール・カーネギーの本をアナウンサーに録音してもらい何回も聞くようにしたのです。  この結果、何年か後には、平均社員の 7・ 7倍の売上を上げることができるようになりました。  それからあとは、 1年間に 2冊のペースで、これは、と思った本を録音してもらいました。 44歳で独立してからはもっとペースが速くなったので、結局、これまでに 50冊くらいの本を録音してもらったと思います。  ちなみに、この 50冊の中には、ドラッカーの本が 12冊入っています。ドラッカーの本はページ数が多いので、『創造する経営者』や『経営者の条件』は、 1冊当たり 30万円をアナウンサーに支払いました。  私はコンサルタントなので、学習量を特別多くする必要があり、参考にはならないと思う社長もいるかもしれません。  しかし、本を読むのがとても遅い上に、その本に書かれている大事な要点をまとめる能力も劣る「準・難読症」の私が、テープを何十回も聞くという学習の「量稽古」によって、いつの間にか実力が高まってきたように思います。少なくともこの点は、本による学習が苦手だったり、時間がない社長にとっては、参考になるのではないでしょうか。  私はこれまで 4300回の講演を行い、 20冊の本を出版してきました。これは間違いなく、「聞く」学習を積極的に活用するという「差別化力」がある方法を実行したからだと思います。  後に私は、フランク・ベドガーがその後どのような人生を送り、何歳で亡くなったかを知りたくなりました。  アメリカに人脈があるらしい人に、ベドガーのその後について調査を依頼しましたがうまくいきません。そこで、これが最後と思って 50万円の調査費を払って専門の会社に頼んだところ、ベドガーのその後の人生と、彼の子供がハワイの病院で療養中ということがわかったのです。  私がベドガーの子供に手紙を出すと、まもなく、ていねいな返事が来たのでした。

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