これと同じようなやり方は、現在でも続けられています。 その1つ目は、成功した社長や有名企業の社長に講演してもらったものを DVDに収録し、それを教材に使って何回も学習する、という方法です。 これも悪くはありませんが、戦略は形がなくてつかみどころがないので、 DVDを見た人がこれによって差別化力がある、独自の経営方法を導き出すこと
はできないでしょう。 2つ目は、中小企業の社長が集まってつくっている団体や異業種交流会などがよく実行しているやり方です。 まず業績が良い会社の社長に、 70分 ~ 80分ほど講演をしてもらいます。 そのあと参加者がいくつかのグループに分かれて討議し、この中から経営原則を導き出そうというものです。 一見すると、これはとても良い方法のように思えます。しかしこの方法で学習してきちんとした成果を出すには、大きな前提条件が必要になります。 前提条件の 1番目は、話を聞く参加者全員が、経営のフルラインを学習しておくことです。 経営のフルラインについては、 135ページを参照してください。 前提条件の 2番目は、参加者全員が、経営のフルラインの「大事な要因」のどれもが 70点以上とれるように、戦略実力を高めておくことです。この条件も絶対に欠かせません。 経営の大事なところの実力が 70点以上の社長が、業績が良い会社の社長や異色と呼ばれる会社の社長の講演を聞けば、この社長が経営に成功した大事なポイントは「これとこれだ」と、つかみ取ることができるでしょう。 仮に説明される内容がきちんと整理されておらず、話があちこちに飛んで一貫性がなかったとしても、話の核心を理解することができるのです。「大事な要因」のどれもが 70点以上の社長であれば、業種が全く違っていても「こことここは自分の会社に応用できる」と結論が出せます。しかもそうして導き出した結論は、差別化力がある特別なものになるのです。 しかし、大事なところの実力が 50点以下などの低い社長には、成功した社長の話の整理が悪くて一貫性がないようだと、その中から経営に役立つ何かをつかみ取ることはできません。仮に何かをつかんだつもりになっても、たいていは的外れになってしまいます。 結局、成功した社長の話を聞いてディスカッションしても、それを自分の経営に応用して業績向上に役立てられる社長は、おそらく 100人中2、 3人しかいず、残りの人には思ったほど役には立っていないのです。
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