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2仮説検証法のウソとホント実力がなければ仮説検証法は効果がない

 ビジネスマン向けの本や自己啓発に関する本を読むと、必ず出てくるのが「仮説検証法」と呼ばれる問題解決の手法です。  仮説検証法とは、仕事がうまくいかず、良い方法を考え出さなければならなくなったとき、まずある解決方法を「仮説」として考えます。このあとこれを実行して有効かどうか「検証」すれば、問題が解決されて業績向上に役立つというものです。  確かに良い解決策が見つかる場合もありますが、しかしこの手法には、大きな制約条件があることはあまり知られていません。  仮説が、その人の「戦略実力の範囲内」でしか出てこないという制約です。   A社長の戦略実力が、 100点中 50点しかなかったとしましょう。この社長が経営をしていて解決すべき問題が発生したとき、仮説検証法によって仮説を出しても、その仮説のレベルはやはり 50点以下なのです。 B社長の戦略実力が 40点しかなければ、当然、 40点以上の仮説は出てきません。それだと、仮説そのものに大きな意味はなくなってしまいます。  競争条件が特に不利な「番外弱者」は、本来は、弱者の戦略ルールを厳密に守って経営をしなければなりません。それがわからず、有名企業が実行しているカッコのいい強者の戦略を実行すれば、当然、業績が悪くなります。  業績を改善しようと考えて仮説を立てても、その仮説もやはり強者の戦略であれば、業績はさらに悪化するのです。   C社のケースで見てみましょう。   C社は、人口 30万人の地方都市の飲食店で、近くに強い競争相手がないこともあって業績が良くなりました。しかし従業員 1人当たりの自己資本はまだ業界平均の 1・ 5倍ほどしかなく、まだ弱者の戦略ルールを実行しなければならない状態でした。  ところが社長は業績が良くなったことに気を良くし、「人口の多い東京に出店すれば、売上も上がって儲けも多くなる」と考え、東京に出店することにしました。「人口の多い東京に出店すれば、売上も上がって儲けも多くなる」というのは、いわば仮説です。  社長は何回も東京に行って出店場所を探し、設備や店員、開店のチラシなど準備万端調えて営業を始めました。  ところが予想に反して売上は計画どおりに上がらず、赤字続きになったのです。その結果、手元資金が底をついてしまい、 1年後にはやむなく撤退しました。幸い倒産はまぬがれましたが、これによって自己資本のほとんどを失ってしまいました。

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