はじめに 私がまだ 10代前半だった頃のこと。世の中は「ノウハウ」と「マニュアル」に溢れていた。 まだ彼女もできない 10代男子たちがこぞって読んでいたのは、人気雑誌『ホットドッグ・プレス』だ。毎号のように「モテるノウハウ」「モテるマニュアル」「モテるハウツー」が掲載され、同世代の男子はほぼ全員が同じファッション、同じ髪型、同じ趣味で、同じ話し方をしていた。 まあ、私の見ている世界が狭かっただけなのかもしれないが、ともあれ、こうした雑誌で特集を組まれるノウハウやマニュアルは、自分がヘタに個性を出すよりも確実に女子にはウケた(と思う)。このことは、 10代の自分にとって素晴らしい成功体験だった。 だからこそ、当時の私は、ノウハウ、マニュアル、ハウツーという文字が載った雑誌は、文字どおりすべて目を通していたように記憶している。書店の雑誌コーナーの前に何時間も居座り、「モテるマニュアル」を貪り読むのが日課になっていた。 当然ながらインターネットもなく、まとまった情報といえば雑誌から手に入れる以外になかった時代の話だ。それらの雑誌には、若かりし私の「成功の原点」のすべてが詰まっていたと言っていい。 それ以降、勉強でも、仕事でも、投資でも、趣味でも、私はあらゆる場面において「魔法のノウハウ」「絶対に成功するマニュアル」を探し続けた。そのために費やした時間は学業に使った時間より遥かに長いし、使った金額は、累計にすると高級車が何台も買えるとわかった時点で計算をやめた。 ただ、それほどの時間とお金を投じてもなお、マニュアルだけでは答えが見つからない問題に直面することが多々あった。というよりも、人生とはそういうものだし、社長としてビジネスを運営していくならなおさらだ。 そうやっていくつもの壁にぶつかりながら、私は、マニュアルを超える武器を身につけることに成功した。本書は、言うなれば「社長の解説書」だが、単なるマニュアルではない。マニュアルだけではたどり着けない世界まで、あなたをお連れする。 それと同時に、この本は、「社長業とは何か」という問いに対する、私なりのひとつの解を示すものになっているのではないかと思う。
成功と幸せを手に入れたい起業家・経営者の方へ この書籍を手に取ったあなたは、きっとビジネスでいま以上の成果を出したいと思っているのではないでしょうか? そんな起業家・経営者のために、この『社長のための「判断」の教科書』に加えて学んでいただくことで、より成果を加速させることになる2つのプレゼントをご用意しました。【プレゼント 1】 ●ビジネスの成果を劇的に変える「質問の極意」 ──業種も時代も超えてビジネスを成功へと導く9つの質問(動画 +書き起こし PDF)詳細はこちらのページをご覧ください【プレゼント 2】 ●資産家と収入家の違い ──幸せな社長になるために知っておきたい2つの「感覚」(動画)動画視聴ページへ移動して動画を見る
社長の唯一の仕事は「判断」「社長」ほど素晴らしい職業はない この本を手に取ったあなたは、すでに社長をしているか、これから社長を目指す人だろう。私自身は 20代半ばで社長になり、かれこれ 30年近く社長業をしているが、この仕事ほど費用対効果の高い職業はないと思っている。とにかく効率が良く、かつ、メリットが多い。 その理由のひとつは、社長になるための資格や試験がない、ということだ。 世の中には様々な職業があり、なかには「高給取り」と呼ばれ、人々から羨望と嫉妬のまなざしを浴びる仕事もある。試しに「高給を取れる仕事」でネット検索してみると、航空機パイロット、医師、公認会計士、弁護士などが出てくる。 ただ、これらの仕事に就くには資格を取得する必要があり、試験は非常に難易度が高く、結果として、その職に就ける人数は限られている。 現在、それぞれの資格を有している人数は、医師 34万人、公認会計士 3万 6000人、弁護士 4万 6000人。パイロットに関しては詳細なデータが見つからなかったが、日本の航空会社に勤めるパイロットは 5000人ほどのようだ。 一方で社長は、これらの職業の何十倍、何百倍も多くいる。国税庁が発表している「会社標本調査」(令和 4年度分)によれば、日本にある会社(法人)の数は約 290万。 つまり、全国に 300万人近くの社長が存在するということだ。法人化していない個人経営の社長を含めれば、さらにこの何倍もの数になるだろう(実際、「 1000万人」とする資料もある)。 これほど多くの社長がいるにもかかわらず、この仕事は平均年収が高い。これが、社長業について「効率が良い」と言う2つ目の理由だ。 先に挙げた社長以外の職業(資格が必要)の場合、業種によってばらつきはあるものの、おおむね 1000万円から 2000万円が平均収入の相場となっているようだ。 社長業はどうだろうか。これについては、人事院が「民間企業における役員報酬(給与)調査」をまとめており、それによると、社長の年間報酬の平均は 5197万円(令和 5年度)だ。 さらに、社長業の効率の良さを語る上で重要な3つ目のポイントとして、時間の自由度が高い点がある。社長ほど、時間を自由にコントロールできる職業はなかなかない。なぜなら社長は、時間のルールを自分で決めることができる立場にあるからだ。 平日のゴルフ場が、中小零細も含めて多くの社長たちで賑わっているのは、つまり、そういうことだ。私自身もそんな社長のひとりだが、一緒にラウンドを回るのは全員社長、前の組も、後ろの組も、みんな社長。そんな光景はまったくの日常だ。他の職業では、なかなかこうはいかない。 そうは言っても、誰でも社長になれるというわけでもないでしょう? それなりに、人にはない特別な才能や能力を持っているから、人の上に立つ社長という職業に就けているのでは? と思う人もいるかもしれない。 だが、これがまさに、社長業が効率の良い仕事である最後の理由なのだが、社長に特別な能力や才能はいらない。持って生まれた才能も必要なければ、特別な能力を身につける必要もない。 優れたひらめきを生むアイデアマンである必要などないし、モノづくりに秀でていたり、営業能力が飛び抜けていたり、突出したコミュニケーション能力を発揮できたりする必要もない。記憶力すら必要ない(これは本書の重要なテーマのひとつなので、詳しくはあとで述べる)。 それでいて、試験も資格もなく誰でもなれて、時間を自由に使え、なおかつ数千万円の年収を長きにわたって稼ぎ続けられる可能性が、他の職業よりも高い。 いかがだろう。社長という職業に、改めて魅力を感じるのではないだろうか。
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