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何のために判断するのか

 何のために判断するのか。それは、会社の目的を果たすためだ。会社の目的とは、ミッションやビジョン、経営理念などと呼ばれるものであり、「なぜ、この会社をやっているのか」という問いに対する答えでもある。  どんな会社にも、その会社が存在する理由があるはずだ。会社の方向性、目指す姿、指針、会社として成し遂げようとすること、在り方、会社の存在意義……それらが本来の会社の目的だ。  その目的を果たすための基準として、目標がある。より長期的な視点で未来に向けて目指す姿としての目的を掲げた上で、それをどうやって実現するか具体的な数値で表したものが目標だ。目的から逆算して、段階ごとに複数の目標があるかもしれないし、時間の経過と共に目標が変化することもある。  いずれにしても、目的と目標について議論する場合は、常に目的が上位概念だ。目標は、「目的を達成するための目安」として存在するに過ぎない。  例えば、ある会社が売上目標 10億円を掲げたとしよう。この数字を掲げる理由として、「会社の存続」という目的があるとする。  このとき、大事なのは売上 10億円ではなく、会社の存続だ。したがって、たとえ売上が 9億 8000万円であっても、会社が存続できればそれで目的は果たされたことになり、社長として得たい結果は得られているはずだ。  それに対して、売上 10億円には達したものの、不正や詐欺的な要素をも含んで無理やり進めてしまったがために、それらが明るみに出て即倒産……では、目標は達成しても目的を果たせておらず、本末転倒だ。目標に囚われすぎて目的を蔑ろにすると、こういう末路を辿りかねない。  不正は働かなかったとしても、売上のために従業員や下請けに無理をさせ、関わる人たちが離れてしまい、人手不足で会社の存続が危うくなるケースは後を絶たない。これも、目先の目標を優先して本来の目的を疎かにし、判断を誤るひとつのケースだ。  何のために判断するのか。それは、目標達成のためではなく、目的を果たすためだ。結果的な目的ではなく、原因的な目的にフォーカスすることで、会社は安定的に継続的に繁栄する。  結果にフォーカスする判断や目先の目標を優先してしまうような判断は、間違った判断になりやすい。すぐに軌道修正のための判断ができればいいが、そのまま誤った方向へ進んでしまってはプロジェクトが壊れたり、会社が衰退したり、最悪の場合には会社が倒産……なんてことにもなったりする。  たしかに会社は、いくつもの目標をクリアしながら前に進む。しかし、その土台となる目的をしっかり持つことで、質の高い判断を素早く下せるようになるのだ。日々、原因に沿った目的を果たすために判断を繰り返すことが、理想的な判断のあり方と言える。

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