社長の唯一の仕事は「判断」だと述べてきたが、では、そもそも「判断」とは何だろうか。 ここでは、「限りなく二択に近い選択肢から、一方を選択すること」と定義したい。 Aか Bか、白か黒か、やるかやらないか、イエスかノーか。たった2つに絞られた選択肢から、どちらか一方を選ぶ。その究極の選択が、判断だ。 目の前に、赤と青、2つのボタンがある。どちらを押すのか。その最終的な判断を、社長が下す。あるときは赤のボタンを押し、あるときは青を押す──このように、判断とは非常にはっきりしているものだ。 言い換えれば、もしこれほど明確ではない、つまり選択肢を2つにまで絞り込めていないとしたら、それは「判断できる状態ではない」ということになる。そのような状態で何かを決めたとしても、それは真の判断とは呼べない。 何かを判断する際には、まず大前提として、二者択一ができるまで選択肢が細分化されている必要がある。「判断」と同じような文脈で使われる言葉に「意思決定」がある。判断と意思決定は何が違うのだろうか。 判断は、二択の中から一方を選ぶ。その前に、最後の二択になるまで、意思決定を繰り返して選択肢を絞り込んでいく。戦略や目的や目標を決めるのも意思決定だ。意思決定は、判断よりも抽象的で複合的であり、なおかつプロセスもここに含まれる。様々な思惑を天秤にかけている状態もまた、意思決定の最中ということだ。 判断の方法として、時には多数決で判断したり、判断を委任された別の人間が決めたりすることもあるだろう。しかし、そもそも「多数決で決める」「誰それに判断を委ねる」という判断を社長が下しているなら、それは社長の判断の範疇にある。だから、多数決や別の人物による判断の結果もまた「社長の判断」として成立する。
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