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判断を任せるということ

 初めに言っておきたいが、判断の「委任」とは、決して判断の「放棄」ではない。「誰かに判断を委任する」ということも、それ自体が社長の判断だから

だ。  委任と放棄は違う。放棄するのは仕事を投げ出すことだが、委任はむしろ、どんどんやったほうがいいと私は考えている。  ただし私自身は、経営の根幹に関する判断は、委任しないことが多い。共同経営者や共同出資者になっている場合でも、そうした判断には極力関わるようにしている。だがそれ以外は、目的をしっかり共有した上で、積極的に委任している。  判断を「質 ×量(数)」で考えてみてほしい。質の高い判断を数多く下せることが理想だが、社長ひとりでは限界がある。そこで、社長以外の人間でも判断が可能なことについては、なるべく委任し、社長が自ら行う判断の数を減らすことが重要になる。  そして社長自身は、数をこなすことよりも、質の高い判断をすることを心がけたほうがいい。  判断を委任すると、社長の時間が増える。社長にしかできない重要な判断に集中することで、ひとつひとつの判断の質を高めることができる。それにより、会社としての判断の数は増え、質は向上することになる。これは、会社の発展を意味する。  また、判断にはストレスや責任が伴うが、人に任せれば、社長にも余裕ができる。意識的に判断しない時間を作り、頭を休めることも、社長には大切だ。会社の命運を左右するような重要な判断ほどストレスも大きくなるが、社長の上に会社のビジョンが厳然としてあれば、それも緩和される。  さらに、社長よりも能力のある人の力を借りることもできる。例えば、現場での判断は現場にいる専門職のメンバーに任せて、社長はより大きな判断に専念するなど、判断の「分担」も可能になる。  このように、判断を誰かに委任することで判断の質が高まると、社長としての質も高まる。社長の質が高まると、当然、会社の質も高まることになる。  質の高い判断をすることが社長の本業であり、会社の本来の形と言える。そのために、委任できる判断は他の誰かに任せることで判断のボトルネックを解消し、ビジネスを早くスムーズに回すのだ。

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