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効率の良さが大切である理由

 効率はとても大切だ。人生は時間でできており、人は皆、平等に一日 24時間を与えられている。効率の良さ、つまり同じ時間の中でより良い結果を出すことは、人生の豊かさに直結する。  ただし、ここで重要なのは「何に対して効率が良いか」という点だ。言うまでもなく、それは目的だ。目的なくして効率はない。  社長にとって、すべての判断は会社の目的を果たすためにある。いくら時間や費用などのコストが低くても、目的に向かっていなければ意味がない。より短い時間で、より少ない労力で、目的地にたどり着く。そうすれば、また新たなゴールに向かって進み始められる。  それと同時に、「人生は時に回り道も必要だ」とよく言われるが、ビジネスでは、意図しない回り道はしないほうがいい。なぜなら、回り道をするにもコストがかかるからだ。  目的への道のりは、決してフリーパスではない。時間もお金も費やして、ただ遠回りをするだけに終わることは、社長として大きな判断ミスと言わざるを得ない。  念のために言っておくならば、あえて回り道をして“勉強”することが目的なのであれば、それも一向に構わない。そのための時間とお金があって、それこそが会社経営をやっている意味だというなら、大いに回り道をすればいい。私も時には、意図して回り道を選ぶこともある。  ただ、いずれにしても、時間も労力も資金も無限ではない。ビジネスは、限られた資源の中で効率よく成果を出すことを優先させなければいけない。目的を明確にし、目標に向かいながらも、常に ROIを意識して、最適な判断を下さなければいけない。「目的に沿った最適な判断をする」。それが、社長の唯一の仕事なのだ。5つのシナリオを描く   ROIの高い、質の良い判断を続けるには、その判断の先に何が待ち受けているかを理解し、そのシナリオを想定しておくことも重要だ。シナリオとは、つまり、様々な仮説を立てて、それぞれの場合にどうするかを考えておくのだ。  用意しておくべきシナリオには、大きく5つある。「標準のシナリオ」「最悪のシナリオ」「復活のシナリオ」「撤退のシナリオ」「最高のシナリオ」だ。どんなことが起きても対応できるよう、あらゆる事態を想定しておくのだ。  このうち「標準のシナリオ」は、想定される中で最も発生確率の高いシナリオで、「普通に進めていけば達成できるシナリオ」と言える。このシナリオが完結すればイメージどおりに目的に到達することができる。まずは、そんな標準のシナリオを作る。  次に「最悪のシナリオ」は、失敗や思わぬ事故・災害などが起きて、場合によってはさらにそれらが重なってしまう場合の想定だ。  ビジネスでは、想定外のことも起きる。そんな場合でも慌てずに適切な判断を下せるよう、事前に備えておかなければいけない。特に、再起不能な状態に陥ってしまうことを防ぐためにも、この最悪のシナリオを用意しておくことは非常に重要だ。  一般的には想定外と思われることも、極力、想定の範囲内にしておきたい。地震も、津波も、パンデミックも、前もって「あるかもしれない」と想定し、準備しておけば、それは「リスク」ではなく「タスク」になる。保険に入っておく、非常時の体制を整えておく、万一に備えて現金を残しておく、などの対策を立てられる。  また、最悪の場合を想定した時点で、それがあまりにも最悪すぎて、万に一つでも起きてしまったらマズい、ということがわかる場合もある。それで判断を変える(別の道を選ぶ)のもまた判断だ。  あまりにもリスクが大きいのであれば、無理をする必要はない。そう冷静に判断を下せるようになるためにも、最悪のシナリオは必ず事前に思い描かなければいけない。

最悪の次に考えたいのが「復活のシナリオ」だ。これは、「最悪のシナリオ」に進んでしまった場合に「標準のシナリオ」に戻すための、いわば復興計画だ。  先ほどの「最悪のシナリオ」は、万が一の事態が起きないようにするためのシナリオであり、それと同時に、万が一の事態が起きたときの緊急対応シナリオでもあった。それに対して「復活のシナリオ」は、その最悪の事態を何とか切り抜けたあと、再びビジネスをもとの軌道に戻すために用意する。もしも「復活のシナリオ」を描けそうになければ、「その道には進まない」という判断もあるかもしれない。  なお、この「復活のシナリオ」は ROIが最も悪い。「標準のシナリオ」でうまくいかなかっただけでなく、復活のためにさらなる資源を使うことになるからだ。そこで、あえて「復活させない」という判断をする場合もあるだろう。  こうした判断を下すことは、決して簡単なことではない。だが、復活までにはどの程度の時間や費用がかかるのかをあらかじめ見積もっておけば、緊急事態に慌てて計算する必要もなく、余裕をもって最悪の事態を回避し、その状況下でのベストな判断ができるようになる。

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