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すべてを「想定の範囲内」にする

 そうは言っても、具体的に、どんな事態を想定すればいいだろうか。考え得る最悪の事態とは、一体どんなことがあるだろう。そこからの復活を、まだ前に進んでいない時点で、どうやって想定すればいいのか。  幸運とは、思いがけないからこそ幸運であって、想定していたら幸運ではないのではないか……そんなふうに思うかもしれない。  だが、自分の想定を超えてシナリオを描くことはできる。自分では全く思いもつかないような幸運も、想像だにできなかった悲劇も、そこからの復活劇も、ある程度のところまでシナリオにして準備することは可能だ。  それには、とにかく調べればいい。つまり、環境分析だ。自分が知らないことでも、どこかの誰かは知っていて、そのデータがあり、情報が提供されている。可能な限りの情報を集め、データを分析するのだ。  実際のところ、私は普段から徹底的に調べる習慣が身についている。それを長年続けているため、「どんなことでも、とにかく調べれば、何かは見つかる」という認識を強く持っている。そのおかげで、今では様々な情報が自分の中に蓄積されている。  だが、ほとんどの人は、あまり環境分析をしようとしない。社長という立場になるとなおさらだ。  なぜなら社長は、他人に命令されたり、他人から指示されたりすることが、他の職業・役割と比べると格段に少ないからだ。どちらかと言えばルールを作る側で、ルールを調べて守る側ではない。それゆえ、外部環境に合わせる必要性も低く、実際、我流で生きていける人も多いのだ。  いやいや、自分は周りの多くの人に気を遣い、常に配慮を忘れていませんよ、という反論もあるだろう。だがそれは、直接的な影響がある人たちに対してであって、普段、自分が関わりのない外部環境に対しては、配慮する必要がないはずだ。  そのため社長は、自分を取り巻く環境や自分の中にある知識や情報・データだけでも、おおよその判断ができてしまう。これは、立場上許されることであり、特権でもある。だが、さらに上の判断をしようとするのであれば、これまで以上に多くのシナリオを描き、そのための環境分析をすることをお勧めする。  環境分析を普段から綿密に行っているおかげで、私は、ビジネスだけでなく投資においても長年大きな成果を出せている。

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