成功した社長の親父さんの葬儀に行ったときの話です。社長の親父さんといっても別に創業者というわけではなかったので行く必要はなかったのですが、成り行きで「お別れの会」というものに出席することになりました。 葬儀場に着き、まずはお焼香をさせてくださいと言うと、「井上さん、今日は通夜ではなくお別れ会なのでお焼香はありません。線香をあげてください」と言われました。何か変だなぁと感じながらお線香をあげました。その後、続々と取引先や銀行の人たちがやってきます。しかしなかなかお坊さんがきません。なのでいつはじまるのですかと聞くと、「これで終わりです。通夜ではないので通夜ぶるまいもありません。お坊さんも呼んでいません」とのこと。 葬儀社の方からは「今回は通夜ぶるまいがないので簡単なお食事代わりのものを用意しました」と言われ、会葬御礼とその「お食事代わりのもの」を頂戴しました。葬儀場をあとにして帰宅し葬儀場で頂いた「お食事代わりのもの」を開けてみると、そこには小さな缶ビールと黒と白のかりん糖が入っていました。 あなたもたくさんの結婚式や葬儀に参列されたことと思います。ここで質問です。あなたの記憶に残っている結婚式や葬儀はどんなものだったでしょうか。えっ覚えていないですか。ならば、それはきちんとした「いい冠婚葬祭」だったのだと思います。本書を読んでいる方の中には、これから結婚されるベンチャー企業の社長もいるかと思います。逆に親父さんが高齢になった社長もいることと思います。冠婚葬祭で一番重要なことは「普通にやること」です。人の記憶に残ってしまうような変な冠婚葬祭をしてはいけません。 私が未だに記憶している冠婚葬祭は、普通ではないひどい冠婚葬祭ばかりです。料理はほとんどないのに高額な会費制結婚式、クリスマスやゴールデンウイーク、会場が軽井沢といったような参列者の都合を考えていない結婚式、大学の校旗を後輩たちが振り回す異様な光景の葬儀。 冠婚葬祭での失敗は一生言われ続けてしまいます。くれぐれも誰の記憶にも残らない「普通の冠婚葬祭」をして頂きたいと思います。
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