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敗者復活戦はない

 たまに「昔、会社を経営していて一度倒産したことがある」という経歴を持った人が訪れることがあります。いろいろアドバイスはするのですが、正直言ってこの人またダメだろうなと私は感じます。  知り合いからの紹介で「会社を経営していましたが数年前、会社が倒産しました。しかしこの度、新たに会社を作り再スタートしたんです」と言う社長が、私のところにアドバイスを求めてやってこられました。  この人が以前どんな仕事をしていたのかについては触れませんが、今度は燻製を作る機械を販売するというお話でした。機械の設計も自分で行い、とてもおいしい燻製ができる機械を開発したそうです。ただ、この機械がなかなか売れなくて困っているとのことでした。私は「そんなにおいしいのですか。ではその機械で作った燻製を一度食べさせてください」と言いました。しばらくしてその社長が燻製を持ってきてくれたのですが、食べてみると本当においしい。  そこで私は「社長、機械を売るのではなくて、その機械で作った燻製の販売をされたらどうですか」とアドバイスをしました。社長はあまり乗り気ではありませんでしたが、資金繰りに困ってるということもあり、私の言うとおりに燻製を販売することにしました。すると大当たり。口コミで人気になり、パン屋さんの駐車場や高速道路のパーキングエリアで販売したところ爆発的に売れました。夕方を待たずにすべて売り切れるほどです。  その後、その社長はどうなったと思いますか?

実は会社がまた倒産しました。社長は燻製の販売はそこそこに、儲けたお金でまた燻製の機械を販売したのです。この機械の開発コストで利益はすべてなくなり、キャッシュアウトして倒産しました。この人が一番やりたかったことは燻製を売ることではなく、燻製を作る機械を売ることだったのです。自分の趣味にお金をつぎ込んでしまったのです。  米国では一度失敗した社長でも再度復活できるのに、日本では一度失敗した社長は二度と這い上がることができない。これはおかしいと言う人がいます。しかし会社を円満にたたんだ人ならともかく、一度でも他人に迷惑をかけて会社を倒産させた社長というのは、社長には不向きな DNAを持っているのです。こういう人は何をしてもダメなんです。事業を変えても会社を変えても社員を変えてもダメです。社長自身がいなくならないかぎり成功はありません。  会社経営に敗者復活戦はありません。「一度会社を倒産させた経験を今の会社に活かして経営しているんです」と言う人もいますが、社長自身が本当の意味で変わらないかぎり成功することは無理なんです。

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