ある人材開発会社は、エンゲージメントの指導、つまり従業員の会社に対する「愛着心」や「思い入れ」をアップさせ、社員が辞めない仕組みづくりや働きがいのある会社にするためのコンサルティングやセミナーを行っています。 こういうと聞こえはいい会社なのですが、この会社の離職率は非常に高く、社長はセクハラ、パワハラで何度も訴えられています。いわゆるブラック企業です。 ある日、知り合いの会社に、その人材開発会社の役員から売りたいものがあるという連絡がきて、担当部長がお会いしたそうです。どんな話かというと、一部の事業を社員ごとなるべく高い値段で売りたいということでした。「社員の方はそれをご存知なのですか」と部長が聞くと「知るわけないじゃないですか。会社の家賃も高くなったんで社員ごと売っちゃいたいんですよ」。 ここまでくると人材開発会社ではなくて人身売買会社です。社員は会社に入社したのであって事業部に入社したわけではありません。人をもののように売りさばく会社のエンゲージメントがまともなはずはありません。 会社が新規事業を立ち上げるというのはよくある話です。うまくいかなくて会社が M& Aされることもあるでしょう。しかし一部の事業を社員ごと売りさばくというのは、人間として許されることではありません。 事業の本質の三つ目は倫理。つまり、人として守らなければならない善悪を理解することです。これがなければただの犯罪者集団です。
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