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持ちものは価値観と見栄

 シャーロック・ホームズではありませんが、見た目というのは相手を理解する上で非常に大きなファクターになります。私はよれよれのスーツなのに高級な腕時計をしている人を見ると「あっこの人は見栄っ張りなんだ」と感じます。ポロシャツを着ている I T社長を見ると「この人は周りからスティーブ・ジョブズみたいな大物として自分を見てもらいたいんだな」と思います。とはいえ、人からよく見てもらいたいと思うのは人間として自然な欲求だと思います。  こうした見た目というのは持ちものや服装だけではありません。乗っている車や会社の場所なども好みを反映させます。  人がお金を出して買うすべてのものは、二つの感情によって左右されます。一つはもちろん「価値観」です。もう一つは何かというと「コンプレックス」や「見栄」です。  銀座に歯科医院を出したいという歯医者さんがいました。その歯医者さんの自宅を聞くと千葉県だそうです。  私は「歯科医院をやるなら東京じゃなくて地元の千葉県でやったほうがお客様はたくさんくると思いますよ。会社員がわざわざ地元から遠いところで歯を治療するとは思えないです」と言いました。しかしその歯医者さんは譲りません。「友達にはもう銀座で歯科医院をやると言ってしまいました」。その後、その人は素敵な歯科医院を銀座にオープンしました。言うまでもありませんが、その歯科医院はすぐに倒産しました。  人は価値観と見栄の間でいつも葛藤します。価値観とは自分が純粋に欲しいもの、見栄とは他人から見られる自分の姿です。「この車、カッコいいしスピードも出る。内装も最高だ」という価値観と、「でもこの金額出すならベンツが買えるんだよな」という見栄との葛藤です。  大きな車に乗っている人は自分を大きく見せたい、ワイルドに見せたいという欲求でしょうか。  また渋谷や六本木、銀座のようなおしゃれな町に会社がある社長は、周りの社長から素敵なオフィスですね、成功しているんですねと言われたいのかもしれません。  この価値観と見栄というのは、社長だけでなくすべての人に当てはまることです。ゆえに、お客様向けに新商品を作る場合には価値観だけではなく、見栄をくすぐる商品やサービスも考えてみるとおもしろいでしょう。

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