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相手のタイプによってやり方を変える

 ある会社と共同事業をやることになったとします。社長同士が話し合い、ビジネスについても理解し合いました。そして最後に契約となります。  非常に重要な場面ですが、このときタイプによって契約の方法が異なります。単価と仕切りで決まるような簡単なビジネスならいいのですが、計算しにくい共同事業、例えばあなたが営業し、先方がバックヤードを担当するというような曖昧な場合、相手のタイプを知らないと痛い目にあいます。「国王タイプ」と「商人タイプ」の社長が共同事業をすることになりました。利益の 1000万円を分配する交渉です。さてどういうことが起こるでしょうか。「国王タイプ」は「自分がいくら欲しいか」を考える社長です。一方、「商人タイプ」は「相手がいくらなら契約してくれるか」を考える社長です。「国王タイプ」は頭の中で、「まぁ 500万円が妥当だな。でもできれば当社のほうが儲かるようにしたいな。よしまず 600万円と言ってみよう」となります。国王タイプ「当社が 600万円、貴社が 400万円でどうでしょうか」商人タイプ「 600万円ですか。ん ーわかりました」「国王タイプ」は、「おっ 600万円で OKか。なら 700万円というべきだったな」と思います。「商人タイプ」は、「仕事量としては半々なので 500万円と言ってくると思っていたけど、 600万円と言うくらいなんだから相当がんばってやるつもりなんだな」と思います。  そして 1年後。どうなるかというと、商人タイプ「貴社が 600万円、こちらが 400万円なんだから相当がんばると思っていたのに全然やる気がないじゃないですか」国王タイプ「 400万円で OKと言ったのはそっちじゃないか。今更何言ってるんだ」  となります。どちらも言っていることは正しいのです。相手のタイプを知らないと双方にとって不幸なことが起こるのです。  これは「商人タイプ」と「国王タイプ」のお話ですが、「石像タイプ」の場合にはどうなるかというと「そちらで全部やってください。うちはユーザーに案内するだけで何もしないけどお金はください」となります。  前述したとおり「石像タイプ」はお金を支払ったり、自社で何か行動するということはしないタイプです。  ただ「石像タイプ」の社長はお金持ちが多いので、それを目当てにさまざまな共同事業の話が各社から持ちかけられます。とはいえ何もしないでお金が入ってくる共同事業しかやらないので、なかなかコラボレーションは難しい人です。  今までお話しした5つのタイプですが、愚者以外はどのタイプがいいとか、悪いとかというお話ではありません。ようは、どうおつき合いするかどうかです。「石像タイプ」は変化を嫌い、今までどおりにやることが得意です。だから品質が安定していますし、ビジネスで博打を打たないので外注先としては信頼できます。「商人タイプ」とは約束をきちんと守ればさまざまな支援をしてくれるでしょう。「国王タイプ」は契約どおりのことをきちんとやってくれます。  商売は臨機応変です。喧嘩するのは得ではありません。変な意味ではなくて取引先の社長たちとうまくつき合うことで、双方にとってメリットがある仕事ができるのです。

おまけの話  社長のタイプを国王、商人、石像、ピエロ、愚者の5つに分けてみました。少数なので書きませんでしたが、実はもう一つタイプがあります。それは「盗賊」です。数百人にひとりしかいないレアなタイプです。  税理士とともにある会社へ行きました。扉を開けた途端、社長が怒鳴りました。「お前、今頃なにしにきやがった。この野郎」。私はビックリして税理士の方を見ましたが、動じることなく平然としています。  会社を出た後、税理士は「井上さん、ビックリさせてごめん。俺もはじめてここにきたときは自分が何か失敗したのかと思った。あの社長が怒鳴るのはパフォーマンスなんだよ。自分の周りの人すべてを恐怖でコントロールしようとしているんだ。社員へのセクハラ、パワハラは当たり前、失敗したら給与から天引、有給休暇なんて取ったら大変なことになる」と教えてくれました。  こういう盗賊タイプの社長は私も数人しか知りませんが、ある社長は、自分が気に入らない社員に真夏コンビニへ餅を買いに行かせて、買ってこれなかったので激しい肘打ちをしました。会社に行くといつも社員の何人かは泣いています。取引先や元社員とは年がら年中裁判をしています。  またある社長は毎週土曜日の朝 6時から社内ミーティングをしています。「なぜ、そんなに朝早くからミーティングをするんですか」と聞くと、社長は「自宅が遠い奴だと朝 4時半の始発に乗ってくる社員もいる。井上くん、これは踏み絵なんだよ。俺が決めたことを忠実に守るかどうか」。  盗賊タイプは社員も取引先もすべて敵。商品はすべてインチキ。裁判で負けてもお金は払わない。何があってもつき合ってはいけません。見分け方は簡単。業界の人に聞けばすぐにわかります。「あの人はね……」。

新規事業の作り方  今までたくさんの新規事業を立ち上げてきました。とはいえお金を持って逃げられた、商品を全部売っぱらわれてドロンされたといった「人」の失敗はいくつもあります(笑)。  ただ言い訳っぽいですが、事業自身での失敗はあまりありません。新規事業のノウハウというと口幅ったいのですが、何かの参考になれば幸いです。

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