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「大企業経営」と「大家族経営」のどちらが適しているか?

 社長が社員へのマネジメントとして、大企業のようなマネジメントをするか、大家族のようなマネジメントをするかのどちらかに分かれますが、いったいどのマネジメントがよいのでしょうか?「大企業経営」とは、大企業は中小企業とは違い株主が多くいる場合がほとんどです。要は会社を所有している株主と会社の経営を任されている社長という図式ができています。  この場合の社長は、ある意味「サラリーマン社長」ですから、任期や定年が決まったらバトンタッチとなります。  中小企業の社長のように死ぬまで社長で居続けることもないため、任された期間を経営にコミットすればよいわけです。  サラリーマン社長は決まった期間に結果を出すことを求められていますので、当然社員との関係はドライであり、ゆるい関係になることはあり得ません。  プライベートと仕事をきちんと分けて、組織として仕事だけに注力して結果を求めるマネジメントが大企業経営です。  一方で「大家族経営」とは、社員を家族のように接するマネジメントを指します。  大企業とは異なり中小企業のほとんどが社長が株主でもあります。つまり、所有と経営が分離されておらず、金融機関からの融資も会社と社長個人の両方に連帯保証を求められるなどもします。  この場合、会社の経営が悪化したら会社だけではなく個人の貯金や不動産もなくなってしまう恐れがあるので、会社は中小企業の社長にとって生活のすべてといっても過言ではないのです。  こういう事情があるため、中小企業の社長は社員と一蓮托生で会社を運営していきたいと考えており、大家族経営というマネジメントが採用されやすくなっています。 どちらが優れているか?  大企業経営と大家族経営はどちらもメリットとデメリットがあります。  かつて僕が経営していた2つの会社では、1つは大企業経営を、もう1つは大家族経営を実践していました。  大企業経営では、僕は自分のことはほとんどしゃべらず、経営だけにコミットした指示を出していました。  社員は僕の年齢や家族構成などもちろん知ることもありません。  馴れ合うことを避けて、とにかく合理的な判断でビジネスをした結果、会社は急成長を遂げました。  急成長はしましたが、離職率が業界平均よりも高く、常に人材に困る会社となってしまいました。  もう1つの会社の大家族経営では、社員とのコミュニケーションを重視し、食事会や社員旅行などのイベントも積極的に実施しました。  僕が父親で社員が子どものような関係で、僕が指示をし、フォローしながら会社を成長させていき、売上数億程度まで 1年半でつくりました。  大家族経営は、基本的に僕、つまりは社長がいないと始まりません。  もちろん、指示したことはきちんと社員で回せるのですが、新しい何かを生み出すなど、利益を自分たちでつくれる社員はなかなか育ちません。  数億程度の会社で満足できるなら大家族経営でも構わないのですが、より成長させたいなら大家族経営からシフトする必要があります。  例を挙げると、僕の後輩が大家族経営を売りにして、飲食店で 200億円までの会社をつくりました。  売上 3億円程度の時から知っていますが、自分の大学のサークルの後輩やそのまた後輩などを率いて、自分を父親とした大家族をつくりあげました。  一応、役員みたいな人もいるのですが、大家族経営の場合は、父親が決めたことが絶対なことに変わりはありません。  もし、「父親」が間違った道を進んだとしても止める人がいないのが欠点でもあります。  この会社は 2023年に負債 90億円以上を抱えて倒産してしまいました。  なぜそうなったかというと、「父親」である社長がファンドに大半の株を売却し、社長を降りてしまったからです。  ファンドの経営は大企業経営が基本なので、大家族経営に慣れていた社員はファンド側が求めるタスクについていけません。  社員はどんどん辞めていき、最終的に倒産となりました。  この例からもわかるように、大家族経営はある程度の売上をつくったら、大企業経営にシフトしないと、社長に何かあったら崩壊してしまいます。  2つの経営を試した僕のおすすめは、売上数億までは大家族経営で忠誠心の強い役員を育て、それ以上の売上を目指す段階で役員以外には大企業経営としてドライなマネジメントをしていくのが良いと考えています。  僕のクライアント先の大企業も役員会での社長の顔と全体での社長の顔を使い分けている方も多いので、この「ハイブリッド型」がうまくいく秘訣かと思います。

黒字社長のルール ⑦経営手法の正解「あるタイミングで大家族経営から大企業経営への転換をはかる」。この「タイミング」を見落としてはならない、その見極めこそが社長の仕事。

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