会社を経営していると業績が良いときも悪いときも当然あります。 たまたま、業績が悪いときに不運が重なり資金が足りなくなることもなくはないでしょう。 銀行に対して業績がよいときも悪いときも頻繁に担当者に顔を出し、業務報告をして関係を築いていれば助けてくれることもありますが、そうではないと融資を断られてしまう可能性が高いです。 万が一のために銀行融資以外の資金調達の方法も学んでおきましょう。 本書では次の方法をお教えしたいと思います。 社債の活用 社債とは、会社が中長期の資金を調達する際に発行する債権のことです。 会社が直接投資家から資金調達をするため、銀行借入とは異なり、社債を発行する会社がある程度自由に返済方法を決められます。 社債には公募債と私募債があるのですが、社債を発行するにはいくつか条件があるため、中小企業が活用する社債としては、少人数私募債だけを覚えておけば問題ありません。ちなみに、公募債とは公開市場において広く一般に募集し発行される債権のことで、私募債とは公開市場を通さず投資家に対し直接発行される債権です。 少人数私募債は、商法や証券取引法の手続きをしなくてもすむ社債で、事業計画や募集要項を整備し、発行条件(引受人が 50人未満、発行総額が 1億円未満であること)に従えば発行することができます。 また、将来有望なスタートアップの場合には転換社債を発行する方法もあります。 転換社債は、発行会社の株式を決められた価格で購入する権利が付いている社債です。 社債と株式との両方の性格を持っているので、社債としての安定性と値上がりが期待される株式としての魅力の両方を兼ね備えた社債といわれています。 少人数私募債にするか転換社債にするかは、将来の会社のエグジットのビジョンによって選択するのがよいでしょう。 少人数私募債はある意味投資家からの融資なので、返済が必要ですが株をとられることはありません。 転換社債は返済しない代わりに株に代わる性質のある社債ですので、ある意味出資に近い性質があります。 株主を入れずに自分で運営をしていくなら少人数私募債、将来上場を目指すなら転換社債といったふうに、将来の会社のエグジットのビジョンによって選択するのがよいでしょう。 ファクタリングとブリッジ融資
ファクタリングとは会社が保有している売掛金をファクタリング会社に売却して資金を得る金融サービスです。 例えば 500万の商品を納品しても入金は 2カ月先ということも業種によってはよくあります。 このような業種はキャッシュフローが悪いため、資金繰りに苦しむことが多いです。 そこで、その 500万の売掛金をファクタリング会社に売却し、資金繰りを改善できるのがこのサービスです。 銀行融資とは違い、審査も数日で終わる場合が多く、担保も保証人も必要ありません。 債務超過や税金や社会保険料の滞納により銀行融資がおりない企業はファクタリングを有効活用するのも戦略の一つです。 ファクタリングにももちろんデメリットはあります。 それは手数料が高いことです。会社によっても手数料は変わりますが、最大 20%の手数料をとる会社もあります。 特に金額が小さいと手数料は高くなる傾向があり、中にはヤミ金のような動きをする業種もいますので注意が必要です。 ファクタリングを考えるときは、なるべく大手の会社から候補を絞っていきましょう。 また、短期的に資金が必要な場合はブリッジ融資という方法もあります。 ブリッジ融資は「つなぎ融資」とも呼ばれていますが、大きな資金調達に時間が要する場合に短期間だけ融資されるローンのことで、融資と融資の間の架け橋のようなローンなのでブリッジ融資と呼ばれています。 ブリッジ融資の特徴は審査が早く、ネットだけでも完結してしまう業種もあるという点です。 最近では大手銀行参加のカードローンなども参入しており、数百万円程度の融資を請け負っています。 注意点としては、短期間の融資なので金利が異常に高いです。 顧問先の会社で銀行融資が出るまでカードローンを利用したところがありました。審査はすぐに出て使いやすいのですが、やはり金利がネックとのことでした。 その会社は銀行融資が出るまでに 6カ月もかかってしまい、背に腹は代えられず、高額な手数料を支払うことになりました。 本命の融資が出ずにブリッジ融資の期間を引き延ばすことになると、金利の支払いだけで元本はほとんど減らず、資金繰りがかなりきつくなるので、慎重な判断が必要になります。 このように資金調達は会社を成長させるのには重要な戦略なので、様々なパターンをしっかり把握しておきましょう。黒字社長のルール ⑪銀行だけが借入先ではない。社債・ファクタリング・ブリッジ融資……。「知っているだけ」でいざという時の選択肢が広がっていく。
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