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「逃げてはならない」という思い込みをやめる

「逃げる」というと、たいていの人は悪いことだと考えます。  私たちは、子どものころから「逃げてはいけない」と教わり、逃げることが悪いことだと信じてきました。  しかし、逃げることは本当に悪いことなのでしょうか?「逃げるが勝ち」という言葉があるように、逃げて得する場合だってあります。  では、なぜ逃げることができないのでしょうか?  小見出しのように、「逃げてはならないという思い込み」によって、危険から避けられなくなっているような気がします。  それは、蛇に睨まれたカエルのようなものかもしれません。逃げられないために大怪我をする、逃げないために大きな損失を抱える、逃げないために傷がより酷くなる。  創業三十年の工務店社長は次のような考え方によって自らの思い込みを外しました。「どんどん、逃げていいのですよ。逃げて、逃げて、逃げまくれば答えが出ます。私もかつては逃げてはいけないものだ、と信じていました。みなさんと同じく、逃げられないと思い込んでいたのです。そのため、なにもかも背負い、受けて立ち、場合によっては争うこともしてきました。  しかし、それは解決とはなりませんでした。その結果、無理を通して長年社長をしてきました。そのうちに身体がおかしくなり、長期の入院生活となりました。私は、病院に逃げ込んだのです。  退院してからは、私は自分で結論を出すのをやめてみました(最終的には自らが結論を下すのですが)。どうしたかというと、いままでの私は社内のことをすべて決めてきました。どんなに小さなことでも。すると、社員たちには決定権がなくなり、私がいなければなにも決定できなくなってしまいました。  私の入院中に、会社があっという間に傾き、いつ倒産してもおかしくない状況が続きました。これは、私の意思ではなかったのですが、退院してからも自由に動けず、決定ができず、そのために社員に決定させ、最終確認のみを私がするようになりましたら、社員たちが頑張り始めてきたのです。とくに、この会社が危ない、社長には任せられないという不安が出たのでしょうか。みんなが危機感を持つようになりました。  それから、私は逃げるようになりました。みんなの自発性に任せるという考えでした。ただ、逃げるには勇気が必要です。私は『逃げてはいけない』という思い込みから解放され、仕事が順調になりました。逃げていいのですよ、逃げたいときは。大切なことは逃げる場所にあるような気がしますがね」「逃げる勇気」とは、すごい言葉ですね。  私たちは子どものころから、「逃げてはいけない!」「困難には、立ち向かわなければならない!」「闘いから逃げてはいけない!」「逃げることは卑怯だ!」「逃げることは悪だ!」  というようなことを両親や学校の先生、仕事先の社長さんや先輩たちから学んできました。でも、逃げることが本当に悪いことなのでしょうか?  逃げている人たちも多くいますが、その人たちはみな卑怯者なのでしょうか?  確かに、私たちは子どものころから「逃げてはいけない」という教えを受け、意識の中に刷り込まれてきました。そのため、「逃げる =悪いこと」と感じ

てしまいます。  たとえば、子どもがいじめを受け、脅かされ、暴力を振るわれます。本当は逃げても悪くないはずですが、「逃げる =悪いこと」と意識しているために、蛇に睨まれたカエルのように身動きできなくなります。本当はすぐさまその場から立ち去ればよいのですが、逃げることに恐怖を覚えてしまいます。  ブラック企業で働く若者たちは、その会社をやめればいいのに、「あいつは逃げた!」と言われたくないために働き続け、ついには病気になってしまいます。  会社にとって大きな取引があり、それをやめることが「逃げる」ことになるため、無理してもその仕事をすることになります。  仕事の疲労が溜まり、身体が限界に達しているのにもかかわらず「逃げている」と思われたくないために無理して仕事をし続けます。  嫌な取引先があり、仕事を打ち切りたくても「逃げた」と言われたくない。  会社の上司から酷い扱いを受け続けていた、「逃げたら」笑われるから耐え続ける。  会社が苦しい状況なのに、社員に馬鹿にされ、笑われたくないために、ここで「逃げる」わけにはいかない。  私たちは、あまりにもなにかしらを背負いすぎてはいないでしょうか?  苦しいときには、素直に「苦しい」と言い、大変なときには正直に「つらい」と伝える。うまく行かないときは、「うまくいかない」と報告する。それらは悪いことではありません。逃げることでもないのです。  そうすることで、お互いの状況を伝え合うことができます。  会社経営は、心をガラス張りにしてわかりやすく伝え合うことで、円滑になります。

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