「会社経営に安定などない。あるのは無限に続く不安定だけだ」と言う経営者が多いのですが、その理由は至って単純です。 それは、明日の保証、来月の保証、数カ月先の保証がなく、数年先が見えないからです。それが、不安という病に陥る症状の一つといえるでしょう。 会社が経営悪化状態に陥る場合は、売り上げや利益の減少が大きく左右することは誰にでもわかると思いますが、問題は外部の営業先だけではありません。会社の売り上げを伸ばすためには社員が必要になります。 そのため営業マンを増やしたり、製作者を増やしたりしなければなりません。すると社員の数が増え、社員同士の内部の対立が起きたり、突然の辞職が発生したりします。または会社をやめるだけでなく、企業秘密や、顧客などの取引先ごとやめてしまうものも多く、会社の損失が内部から噴き出る場合もあります。 こうなると、社長にとっては日々が針のむしろ状態になってしまいます。 重要なポストの者がやめてしまうだけで、会社の存続に関わるからです。 社内での派閥や内部対立はどの会社でも起きています。考え方の違う社員同士のすべてが仲がいいとは限りません。 また、社長になり社員が増えると、現場の現実が見えなくなります。 それは、現場を社員に任せているのですから当然のことです。 そこで、社長の現実判断力が鈍くなります。 ある会社の社員は、社長には評判がいいのですが、同僚からは嫌われています。どう嫌われているのかというと、社内での和を乱す者だからです。言葉づかいがきつかったり、気分屋で他の者に八つ当たりしたり、態度も横柄だからです。 しかし、社長の前では別人に変身し、社長に一目置かれる存在なのです。 社長が不在のときの態度は豹変し、同僚たちはいつも困っていました。 あるとき、見かねた社員が直接社長に相談をしたのですが、社長からまったく相手にされませんでした。それも当然なことです。その人は社長には想像もできないくらい、社長の前では立派な人格者なのですから。 その相談を持ちかけた社員は、やがて会社をやめてしまいました。その後、次々と社員がやめていき、会社は倒産してしまったのです。
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