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会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、捨てる勇気をもち、会社を生き残らせるためにできることはすべてやる。

事業にも〝賞味期限〟があります。

歴史がある会社ほど、いまではお荷物になっている事業や資産を多く抱えているものです。

ところが、当の社長はそれらに誇りと愛着をもっていて、その事業からの撤退を考えることができない場合が少なくありません。

そうしたことも十分わかっていながら、「〇〇の × ×屋といえばこの地方では知らない人はいません。

それを私の代でなくすことはできません」と言い張る社長もいます。

こだわりがあるのもわかります。

プライドが許さないこともわかります。

しかし、会社を維持・発展させることが経営者として最重要な務めであることを十分自覚してほしいと思います。

賞味期限を過ぎた事業は潔く処分しなければいけないのです。

その処分のタイミングは早ければ早いほどいいのです。

命脈が残っているうちならば、現在の会社を売却し、その資金をもとに新業態で会社を設立し、身軽にスタートするという方向性も考えられます。

危機に陥った会社が再生できるかどうか。

それを分けるのは「捨てる勇気があるか、どうか」です。

いつまでもぐずぐず迷い続け、なかなか捨てられないでいるうちに、再生の機会を逸してしまった会社は数え切れないほど多いのです。

❖決断は 1秒でも速く。

そして即、行動する 赤字が続いていることは、ボクシングでいえばボディブローを食らい続けているのと同じです。

資産や銀行の信頼がそこそこあったとしても、会社の体力は徐々に失われていきます。

従業員の士気にも大きな影響を与えます。

黒字部門の従業員たちは、「自分たちが稼いだ利益を、あの事業が食いつぶしている」と考えてしまうからです。

こうした状態を続けていて何のメリットがあるのか、意地やプライドで従業員が飯を食えるのか、冷静に考えるべきです。

後継者にしてみれば、こんな状態の会社を引き継ぐなんてたまらないと思うでしょう。

私がまさにそうでした。

創業者である父は思い入れが強く、意地で続けている事業も多く抱えていました。

そこへ阪神・淡路大震災で 40億円以上もの損害をこうむったのです。

不採算事業は切り捨てて再生を図らなければ倒産し、何もかも失うことになる。

これ以上、不採算事業にもこだわるならば破産申請をするほかはないと説得した結果、ようやく、父も「不採算部門の切り捨て」に納得してくれましたが、そこまで、私をはじめ、周囲がどれだけ苦労したことか! 私は、何に対しても執着心がないタチだったこともあり、父を説得した後、必要ではないと判断したものはどんどん売却し、再生を進めていきました。

決断が速く、どんどん行動するので、まわりはびっくりしていたようです。

しかし、結果から見れば、だからこそ、 140億円という巨額の借金を返済することができたのだと思います。

❖あらためて問われる銀行の役割 採算割れし、しかもその市場の将来性も見出せない。

そんな企業が事業承継の時期を迎えたとしましょう。

現在の金融機関はほとんどの場合、それでも事業を継続させ、少しずつでも借金を返してもらうという選択をします。

父親から引き継いだときすでに利益が出ず、借入金の元金返済をしていなかった会社を引き継いだ方が相談にみえたことがあります。

よく話を聞くと、金融機関は、すでに「期限の利益を喪失」している企業をわざわざ承継させて、個人保証をさせたのです。

これでは、事業承継した息子さんは、どこの金融機関からも借入できないわけですから、借金の個人保証をするために事業承継したのも同然です。

こうしたことは、公共性がある金融機関がやることではないと思います。

すでに破たん先企業であったため借入、つまり、金融支援は受けられないまま、社長就任後は、懸命に資金繰りをしていたそうです。

売上を上げることが唯一の危機脱出策だと思い、がんばり続けていたわけです。

金融にうとかったこともあり、社長は、自社が「期限の利益を喪失」した企業であると認識をもっていませんでした。

ですから、こうしてがんばっていれば、いつか金融機関も融資をしてくれるだろうと考えていたといいます。

頑張って業績を伸ばしていくと、毎月の返済を増額しろといわれたのです。

借入できないなか、設備更新もしなければいけないので困りました。

すると、ある日突然銀行が、「担保になっている自宅を売却して借入金を返済するように」と言い出したのです。

金融機関は自行の得だけを優先して、時期を見計らっていたのでしょう。

そして、次社長に金融知識がないのを知りながら何の助言もせず、いきなり回収に走ったのです。

こうした経緯を考えると、結果論ですが、後継者の息子と地元の雇用と発展のためにも、赤字会社を引き継がせるのではなく、もっと早くに第 2会社を設立して、本体の借金を引き継がない形で事業再生を図るべきでした。

こうした提案や支援を行うのが金融機関としての使命であり、本来のあり方ではないでしょうか。

超低金利時代、 IT化への対応など金融機関も厳しい変革の時代を迎えていることも事実です。

しかし、そうした時代であればいっそう、金融機関も

個々の企業の真の再生を支援する姿勢を取り戻さないと、将来が見えなくなるでしょう。

少なくとも、現在の金融機関の多くは、中小企業の社長は金融にうといから、金融機関側の思いどおりになるといわんばかりの姿勢が強いように見受けます。

それに対応するには、経営者ももっと金融の裏事情、銀行の本音などを勉強しなければなりません。

▼賞味期限切れの事業は潔く切る。

この決断が速く、的確にできる社長なら、会社を存続させていける。

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