中小企業の経営者で、それなりの資産形成に成功した人は、例外なく、真面目に本業をコツコツと続けている人です。
反対に、儲かりそうだと聞くとすぐにあれこれ手を出して、結果はすべてアブハチ取らず。
どの事業もきわめることがなく、中途半端に終わってしまうので身にならず、資産と呼べるほどのお金も残らない、という社長も少なくありません。
❖資産形成にも人生にも、一発逆転などあり得ない 人生とは不思議なものだと思うことがよくあります。
欲を出せばいいというものではなく、経済的な成功だけをガツガツと追いかけている人は、なぜか必ず、どこかでつまずいてしまうのです。
株などへの投資も同じことで、証券会社やテレビ番組などからの情報に踊らされ、売ったり買ったりを繰り返している人よりも、ある会社に惚れ込み、その会社の株を買い、会社の成長を楽しみに見守っている。
そんな投資のし方のほうが、最終的には大きな実りを手にすることが多いようです。
仕事でも投資でも「ここは勝負時だ。
一発逆転を賭けて勝負に出る!」と気勢をあげんばかりに、失敗するとすべてを失うほど勝負を張る人がいます。
しかし、逆転ホームランで大いに盛り上がるのは野球の試合だけ、に止めておくほうがよさそうです。
多数の社長さんと出会ううちに、私は「人生には逆転満塁ホームランはないのだ」と確信するようになっています。
ここで一発、大きく儲けてやろう! と欲をふくらませている人、邪心でいっぱいの人からは金運も逃げていってしまうのか、こういう人で成功したことに出会ったことがありません。
仮に儲かったとしても、こういう人は満足ということを知らないので、さらに欲をふくらませて大きな賭けに出ることが多く、その結果、すべてを失って終わり! ということになるのがオチなのです。
❖仕事とともに成長、進化を遂げていく 私の顧問先の社長にこんな方がいます。
ある事業で多店化経営をするところまで大成功したのですが、 20店舗を超えたころ、その会社を売却してしまいました。
理由をうかがうと、いまの自分には 20店舗を超えると身の丈を超えてしまい、経営し切れないと思ったから、という返事です。
たしかに、最初から大きな組織をハンドリングできる人はめったにいません。
1店舗から 2店舗へ、 2店舗から 3、 4店舗経営へ、と段階的に発展を進めていかないと、企業の規模と社長自身の力にギャップができてしまうのです。
企業の成長と社長自身の成長が同じペースで進んでいかないと、どこかでバランスが崩れ、経営が成り立たなくなってしまうことはよくあります。
経営者としての自分の力量を客観的に判断できる社長は、自らの身の丈をちゃんとわきまえていて、その身の丈に合った規模の会社を経営しています。
身の程知らずという言葉がありますが、まだ、自分が社長として十分成長できていないのに規模拡大に走った社長は、ほとんどがみごとにとん挫し、倒産したり、倒産とまでいかなくても苦しい状況に追い込まれたりしてしまうケースが多いものです。
それとは逆に、会社の拡大成長とともに、自分自身の人間性も成長させている社長は、年齢とともに人間的にも成長、成熟していき、社員からはもとより、まわりの人からも愛され、尊敬され、心豊かな人生を送っています。
豊かな人間関係に囲まれる人生……。
それこそが人生における最大の資産だと、私は考えています。
▼身の丈に合った規模の経営を基本に、一方で自身の成長に努め、経営規模を拡大、発展させていく。
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