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会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、逃げない、あきらめない、やり尽くす。

私がこれまで相談に応じた社長は 1300人ほどにのぼります。

相談にこられるぐらいですから、そのほとんどが経営上の悩みを抱え、あるいは苦境に立っています。

なかには「なんで社長になんかなってしまったんだと思うくらいですわ。

逃げ出せるものなら逃げ出したい」と本気でいう人もけっこうおられます。

でも、こうした考えが脳裏に浮かんだその時点で、その社長はもう「負け!」です。

いやなことから逃げたい。

つらいことから逃げたい。

しんどいことから逃げたい。

人間、誰しも思うことです。

しかし、ここで逃げたら、その先はありません。

成功し、会社を長く続けてきた社長は絶対に逃げません。

あきらめません。

私自身もそうでした。

140億円の借金を背負いながら自力で再生を図る途上ではいやなこと、うまくいかないこと、思わぬことが次々降りかかり、何度も四面楚歌状態になりました。

しかし、どんな状況でも、私は「逃げたい。

あきらめよう」と思いませんでした。

最初に、絶対に倒産しない、自己破産しない。

自力で再生しようと決めていたからです。

血尿が出、頭に小さな脳梗塞が 15か所もできるほど考えに考え抜いている間に、針の穴ほどの突破口があき、そこからかすかな光が射してきて、いまにつながる道が見えてきたのです。

❖銀行口座を凍結された経営者の逆襲 ある相談者の例です。

経営が苦しくなったこの社長は、地元銀行にリスケの延長交渉をしている最中に口座を凍結されてしまいました(他行はすべてリスケ延長は合意し、支援体制は整っていたのにもかかわらず)。

交渉中に、地元銀行は「自宅を担保に差し出してください」といってきていました。

住宅ローン残高は 2500万円。

自宅の担保価値は 4000万円です。

やむなく、社長は自宅を売却し、売掛金を出金しようとすると、口座が凍結されていたというのです。

これを聞いた私は、これは「もう我慢の限界だ。

金融庁と銀行協会に訴えるしかない」と社長に告げ、金融庁や銀行協会にことの経緯を説明しました。

すぐに地元銀行の本店に連絡し、口座凍結を解除するよう指導してくれました。

同時に、地元銀行がこの社長に求めていた「第三者の保証人を立てよ」という要求も却下させました。

これは金融庁の指導に反しているからです。

もし、この社長が私のところに相談に見えなかったら……と思うと慄然とします。

しかし、多くの社長は、銀行にここまでやられればおびえてしまい、銀行のいいなりになり、ほどなく倒産してしまうのではないでしょうか。

少子高齢化で会社も激減しているなか、地域経済に貢献でき、雇用創出ができる社長なら、再チャレンジ可能な金融機関の支援体制が構築されるべきです。

銀行員の目利きが大切で、さらに金融機関の社会的使命感が大切です。

❖やめるときを想定し、覚悟することも社長の務め「逃げない」「あきらめない」といったそのそばから、「やめるときを想定していることも大事だ」というと、いったい、どっちが本当なのだ、と突っ込まれそうな気がします。

実は、この2つは一見、相反しているようでいて、根っこは1つです。

ときには「会社を存続させない」と決意することが最良の解決策になることもある。

社長になったときから、そう覚悟し、肚をくくることも必要なのです。

先日、相談に見えた方はまだ 40代半ば。

社長の父親が倒れてしまい、事実上、経営者として経営のすべてを見なければならない立場だといいます。

しかし、事業は赤字。

債務超過、借入過多。

いまの売上と利益では一生かかっても返済はできない。

債務超過なので、むろん、他行からの支援をあおぐことはむずかしい……。

つまり、八方ふさがり。

一筋の光明を探ることもできない状態です。

銀行は社長交代を要求しているといいます。

現在の借入金の個人保証は社長、つまり、父親 1人といいます。

銀行の思惑は明々白々です。

社長を交代してもらい、この息子の資産まで押さえてなんとか貸付金を回収したいと考えているのです。

私は、正直に、「会社を閉めることも考えてみてはどうか」と提案しました。

銀行のいいなりになれば、この方は新社長に就任してほどなく、家から会社からすべてを銀行に取られてしまうことになる可能性大だと考えるべきでしょう。

もちろん、父親に代わって自らが社長になり、会社の再生に人生をかけるという選択もあります。

これ以上ないほどひどい状態から粘り強く経営改善を進めていき、少しずつ先が見えてきた経営者もいます。

あきらめてしまわないかぎり、どんな状態

からもリカバーの可能性はある。

これも本当です。

潔く撤退するのも1つの選択。

最後の最後までやり尽くし、どんなにイバラの道だろうと、あきらめないで再生の道を進んでいこうと決意するのも1つの選択。

それを決めるのは、いつの場合も社長本人です。

人生を賭けた決断。

それをするときには、もう 1人の自分自身の目で、いまの自分を冷静に見てみましょう。

他人が、いまの自分をどう見るか。

そんなことは気にする必要はありません。

経営者は孤独なのです。

会社がどんな状況になっても誰も助けてくれません。

すべて自己責任の世界。

経営者の生き方とはそういうものです。

だからこそ、最後の選択は、自分の信念で、自分の人生にとってこれがベストだという生き方を選んでください。

❖利他の精神で経営していれば大きな報酬がついてくる がんこでわがままな父でしたが、私にこれ以上ないことを教えてくれました。

「人に喜ばれる、社会に喜ばれる、そんな仕事をしていれば儲けは後からついてくる」 というのです。

「儲けようとするから儲からない。

損して得とれ、という言葉を知らんのか」ともいわれ続けました。

若いときにはいまひとつピンときませんでしたが、年齢を重ね、 140億円の借金の返済という大仕事を通り過ぎてきたいまは、その言葉が身に沁みて感じられます。

会社のお金のやりくりをする場合も、自分第一、自分の会社第一の考え方では人はついてきません。

どんな選択、どんな決断をする場合も、取引先に損を与えないように。

世間に迷惑をかけないように。

さらに進んで、相手の利益や便宜を重んじて、ときには自分は犠牲になるくらいの覚悟と決断をする。

こうした利他の精神をもった経営者は誰かがどこかで温かい目で見てくれています。

そうした温かな視線、心づかいに感謝しながら生きていく、その喜びはお金には代えられないもの。

人生で最高の成功だといってよいものだと思います。

▼どんな場合も、選択するのは社長、つまり自分自身。

このとき、利他の精神で、ウソのない選択をすることがいちばん大事。

あとがき 経営アドバイザーとして活動するようになってから今日まで、 1300人近くの社長と向き合い、経営に関するさまざまな問題解決に取り組んできました。

中小企業の多くにとって、いちばんの悩みはお金、つまり資金繰りです。

資金繰りの悩みの最大の原因はいうまでもなく、会社経営に問題があることですが、同時に、お金をどう繰り回していくのか。

とりわけ金融機関とのつき合い方について、驚くほど知識もテクニックももっていないことが問題だと断言できます。

会社経営については、いまは、昨日と同じビジネスをしていたら、今日はもう危うい。

それほどの激変が、恐ろしいほどのスピードで起こっていることを強く認識していただきたいと思います。

そして、あらゆる知恵とエネルギーを傾注して、このけわしい時代を乗り切っていってほしいと願っています。

激変に対応しようとするとき、頼りにするのは銀行、金融機関です。

ところが、中小企業の社長の多くは、銀行とのつき合いが苦手だという意識が強く、そのため、金融機関をうまく使いこなせていません。

銀行とのつき合い方にも秘訣があります。

銀行の立場や思惑を考えれば、その秘訣はおのずと見えてくるはずです。

銀行の思惑や立場を読み取り、理解できるようになれば、もはや一流の経営者だといえる。

企業経営にとって銀行とのつき合い方は、それほど重要だということです。

本書では、銀行とのつき合い方について特にページを割き、本来なら活字にすることをはばかるようなマル秘テクニックまで紹介してあります。

ひょっとしたら、私は銀行から〝要注意人物〟だとマークされてしまうかもしれません。

それを覚悟してまで、本書を書いた理由は……、 私は、なんとしても、日本の中小企業にもっとがんばってほしいのです。

技術大国といわれる日本。

これまでも、これからも、日本は世界に冠たる技術力をもって生きていかなくてはなりません。

その技術力の底支えをしているのは、日本の企業の 95%以上を構成している中小企業です。

ところが、その中小企業の経営基盤がぜい弱であるうえ、日本の法律では、企業経営者が一度、経営に失敗すると、個人の人生から家族の生活まで破たんに追い込まれてしまうのです。

しかも、再起の道まで閉ざされてしまう。

現状では、日本ではそれほどに厳しい社会であるのが現実です。

それなのに、多くの経営者が無防備、無知、そしてリスクヘッジを考えないまま経営に当たっているのです。

これほど恐ろしいことはないといいたいくらいです。

アメリカをはじめ諸外国ではこんな例はほとんどありません。

失敗しても再チャレンジの機会がちゃんと与えられています。

私は、なんとしてでも、日本も「中小企業経営者が再チャレンジできる社会」に変革していきたい。

再チャレンジ社会を実現したい。

これを最大の目的に活動しています。

活動の ①は、メルマガの発行です。

登録をしていただくと、無料で、毎週「知らないと損をする情報」が届きます。

活動の ②は、「絶対に失敗しない社長の極意セミナー」を東京と大阪で開催しています。

活動の ③は、無料個別面談の開催です。

将来に 1ミリでも不安があるなら、すぐにお申し込みください。

不安を解消するための対策や心構えについて、お話しさせていただきます。

悩んでいるだけでは不安は絶対に解消できません。

この3つの活動をぜひ、積極的に活用してください。

そして、ご一緒に元気な中小企業を育てていき、日本の将来を明るく元気なものにしていくことができたら……。

これが私の最大の願いです。

ご連絡を心からお待ちしています。

【著者紹介】三條 慶八(さんじょう・けいや)──1960年、神戸市生まれ。

“会社と家族を守る”経営アドバイザー。

株式会社 Jライフサポート代表取締役。

──負債 140億円を背負った会社を自らの力で再生し、完全復活させた経験に基づき、悩める中小企業経営者に真の会社経営、会社再生法を伝授している。

机上の空論ではなく、自らの体験から得た実践的な手法は多くの経営者から信頼を得ており、特に対金融機関との交渉法が、多くの顧客から評価されている。

──「もっと早く出会いたかった」「今すぐ指導してもらいたい」などの声が全国から寄せられている。

中小企業経営者とともに、最後まであきらめることなく懸命に闘う姿勢が共感を得ている。

本書は、そんな中小企業経営者との対話、実践から生まれた、会社をつぶさず、安定経営をするために、経営のキモである「お金」についての考え方、使い方、集め方などをまとめた 1冊。

──主な著書に『社長の基本』(小社)、『あなたの会社のお金の残し方、回し方』(フォレスト出版)等がある。

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