鬼 100則 08早すぎる成功は命取り 誰もが成功を夢見て、人生のかけがえのない時間を懸命に走る。 ときに本人の努力やスキルだけではなく、時代の風や周囲の環境のあと押しがあり、さらに運が味方に加わって見事な成果を上げることがある。人によっては早すぎる成功を手にする。ヒーローの誕生だ。周囲はもてはやし、自分自身も特別な星の下に生まれたのかもしれないなどと独り高揚してしまう。 だが、艱難苦渋にさらされながら自らを磨きあげることもなく、あるいは山あり谷ありの人生の辛酸をなめることもなく、たまたま成功を手にしてしまうと、やがて未熟さが随所に頭をもたげる。時間と共に理想と現実のギャップが大きくなっていくのだ。 いくつもの山あり谷ありの中、人はそのときどきの試練の洗礼を浴びながら成長する。その過程で出会う一つ一つの事象から決して逃げず、またおろそかにせず、むしろ貴重な経験として脳裏に刷り込み、体に刻み込んでいく。だからこその〝人生の成功〟である。 壮大な人生の目標を前に必要なのは、どんなことにも折れず、また驕らず、〝今はいつでも途中形〟と考えることである。そう思えば、人生の成功を焦りすぎることもない。焦りは命取りだ。スピード違反はいずれ逮捕されてしまうのだ。 焦りをなくすためにいい方法がある。一生涯の夢、志を確定し、一生涯の年表をとりあえず作ってしまうのだ。まず、現在に至るまでのこれまでのいきさつを、できるだけ詳細に年表に書き込む。次に、とりあえずの自分の命日を確定し、命日までの 10、 20、 30年間の空白を未来から順に埋めていくのだ。 そして現在の地点にたどり着いたら、今度は現在から未来に向かって、自分の年表に修正を加えていく。一つの歴史絵巻のように、自分の一生涯を上空から俯瞰するのだ。 そして、映画監督か作家にでもなったつもりで、人生のどこの場面で、どんな手を打って、どううねらせるかなどと、自分の一生涯を詳細に描いていく。 すると、人生のゴールを見据えた自分の今のポジショニングがわかり、焦りが消えて、毎年やるべき手順が見えてくる。つまり、 5、 10年後のありたい姿を実現するために今何をなすべきか、どれくらいのスピードで今のテーマに立ち向かえばいいのかがわかる。 焦ってはいけない。早すぎる成功は、逆に後々命取りになるのだから。
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