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16  セレンディピティの魔力

鬼 100則   16セレンディピティの魔力  偶然、不思議に幸運を掴み取ってしまう能力のことをセレンディピティ( Serendipity)と言う。  四十数年前、まだ私が経営していた会社が 2店舗のとき、帳票類の電子化を計画した。そこで、当時 500万円でコンピュータの導入を計画した。ソフトだけは自前で作りたかった。だが、これは難問だった。私は悩み苦しみながら、こうなって欲しいと、夢の解決策を心から渇望した。  ある雨の日、雨合羽に身を包んだ青年がオートバイに乗って注文したコンピュータ関係の本の配達に来てくれた。本を受け取ったが、彼はその場を去らずにモジモジしながら、なぜか「コンピュータ」とつぶやいた。思わず、「君、コンピュータわかるの?」と聞く。かろうじて聞き取れる声で「ハイ好きです」と小さく答える。稲妻に打たれたようなショックを受けた私は、すかさず質問を畳みかける。最低限しか答えない彼から引き出したのは、国立大学の物理学科卒業という答え。  「すぐ辞表を出して明日から来なさい」と言い、その後、彼は電算担当となった。  半年後、私がのどから手が出るほど待ちに待った帳票類と給与システムが遂に完成。自社制作だからいつでも思い通りの変更が可能。我が社が四国で本格展開する直前の電算体制の確立が叶い、その後の発展を支えてくれた。  偶然の出会いのもと、彼 1人で、我が社のあらゆる帳票類はもとより給与システムなどの全てを構築し、退職するまで電算室長を務めてくれた。驚くべき出会いに改めて感謝したい。  これまでにも私が大きな壁にぶつかる度に、白馬の騎士のように、手助けしてくれる人がスーッと現われる。私はとんでもなくついているのだろうか。それもあるが、ちょっと違う。難問を抱えたとき、あらゆる出来事や出会いにヒントを求めたのだ。すると、まるでドラえもんの秘密道具のように答えが言い寄ってきた。  あのときも、「コンピュータに囲まれた電算室」を夢見ていた。  人生の課題、夢への階段を常に目に見える形にして、絶えず問題意識が浮かび上がる状態にしておけば、節目節目で素晴らしい出会いに恵まれるということだろうか。

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