鬼 100則 26片目をつぶって社員を見て下駄をはかせる 兄弟、親子、夫婦、どこでもケンカは絶えない。互いに距離が近すぎると、相手の悪いところが見え過ぎるからだろう。もっとも肉親だから、仲はすぐに戻るが……。 中小企業の場合、他人同士でも、社長と社員の距離は限りなく近いため、相手の粗もよく見えてしまう。百戦錬磨の社長からすれば、多くの社員はまだまだ未熟に見える。 だが、社員は社内の事象全てを把握する立場にはなく、ましてや社長のように、外でいろいろな勉強をするチャンスがあるわけでもない。おのずと社長よりも視野が狭くなり、情報量も限られてしまう。 置かれた立場の差から、お互い見える景色も当然違ってくる。だから、社員が社長の期待通りの行動や発言を行うというのはむしろ奇跡に近い。だとすれば、社員を評価するにしても、いくらか下駄をはかせて評価すべし。 松下幸之助は、「人はいいところだけを見て育て、悪いところには片目をつぶって経営する」という趣旨のことを言ったが、社員の弱点や足らないところはときどき片目をつぶってそ ーっとしておく。ときを待ち、時間をかけながら、次の機会に少しずつ注意・アドバイスをしていくのである。 社長が思うに任せて「何度言ったらわかるんだ!もう、そろそろわかってくれ!」と一気に社員を激しく責め立てても、何の効果もない。社員の心の中には、むしろ意味のないことをほじくり返されてひたすら責め立てられても自分にはできない、という劣等感が増すだけだ。 そして、親にも言われたことのない口調で怒鳴りまくる社長を憎悪しはじめ、嫌悪感を抱くや、両者の溝はますます深まり、社員に残された選択肢は退社。社長の考え方や態度が会社の離職率を高くしてしまうだけである。 我慢することも社長磨きの一つと心得、ときには我慢し片目をつぶって、社員とじっくり対峙する。 そんな社長の様子を見て多くの社員は、もっと成長しよう、もっと努力しよう、社長の期待に応えたいと考える。社員にはいつもハンディを与え、ちょっと下駄をはかせて少しばかり大らかにつき合おう。あなたの夢を実現してくれる大切なパートナーなのだから。
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