鬼 100則 28怒るな、興奮するな、熱く語るより熱く聞け 社長の多くはよく怒る。それに比べて社員は、立場上、よほどのことでもない限り怒ることなどできない。ほとんどの社長には、社内に自分以上の権力者がまずいない。だからこそ誰に気兼ねすることもなく、思うに任せて感情を爆発させる。ときに怒りが納まらず延々と 1時間に及ぶことも。だが、良くないことだなどと、それを叱責する人もいない。 もちろん怒られる理由が明確なときは社員も納得しやすい。だが、社員とて自分のレベル以上のことはできないし、できない要因が他にあるかもしれないのだ。また、社長の誤解や早とちりという場合もある。 社長という強い立場が、必要な情報から自らを遠ざけ、冷静に判断するチャンスを奪ってしまうこともある。だが現在は、社員も PCやスマホや他の媒体、友人たちなどから昔とは比較にならないほど多くの情報を入手し、テーマによっては社長以上に冷静に物事を見聞きしていることが多い。 では、社長は何ゆえそれほどまでに語りまくり、ときに怒ったりするのか。トップである社長には社内の全体像も見えやすく、かつ外部活動も多いため、社内で一番情報が集まる。このような社員との立場の優劣が社長をより雄弁にさせ、熱く語り続けさせてしまう。 こんなとき、社員は皆しらけ、彼らはひたすらときの過ぎゆくのを待つ。しかし、社長が社員に語る目的は一つだ。社員が自分の思いや考えを理解し、共感し、さらにお客様や取引先または部下などにまでそれが伝わり、何らかのいい効果をもたらすことだ。 だから、本当に大切なのは、社長から社員への一方通行ではなく、お互いが言葉のキャッチボールを通して納得ずくで話し合い、理解し合い、社員から次の人にそのことが伝わることだ。そして、社長の志や理念や姿勢などが感動をもって社内はおろか社外の方々にまで伝えられたときにはじめて、社長の語りが意味を持つ。 気づくべきは、一方的な喋りっぱなしは時間の無駄ということ。社長が喋れば喋るほど社員は言いたいことを言わずに終わってしまう。 社長の語りが効果を上げるには、社員の声に耳を傾け、ときに「そうか、そうか」と頷きながら熱く聞くことなのだ。
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