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36  スクラップブックを作れ

鬼 100則   36スクラップブックを作れ  中学時代から、なぜ自分はこんなに記憶力が劣るのか不思議なほどだった。  高校時代には、受験で地理と歴史だけは絶対に選択しないと決心した。なぜなら、地名と年代を覚えられないから。  ある意味そんなハンディを背負った私が決断したのは、あらゆる資料を残しておくこと、決して捨てないことだった。優秀な人は、一度聞いたら覚えられるから資料を捨てる。しかしそれができない私は、手元に置いておくことにより、何度も見返し、記憶をよみがえらせた。  ハンディを背負った弱者ならではの決断が、記憶力のいい優秀な人よりもより多くのデータや資料を保有し、活用できるという勝者に変身させてしまったのだ。  シンクタンクで仕事をしていた娘の言葉。  「期待していたけれど、毎日つまらない。来る日も来る日も新聞、雑誌を読まされ、テーマ別にスクラップブックを作らされる」  また、私の尊敬する A先輩の職場は大使館。私にとっては夢のような職場。その彼が言う。  「毎日、政治・経済などテーマ別に、何カ月間もスクラップの作成。嫌になってくる」  この 2人の言葉に、私は大きな感動と手応えを覚えた。  何十年も前、ドイツから夢破れて帰国。あとを継ぎたくなくて、海外に夢をはせたのに、その電器店に舞い戻った。  期待されても何をどうしていいかもわからず、家電業界や流通関連の本や新聞、雑誌をひたすら読み、気になる記事のスクラップブックを作成した。  後日、 KGBや CIAの情報収集の 90%は公開情報との記事を見つけ、やったという思いだった。自分のやり方は間違っていないと確信した。  当時そんなことも知らずにスクラップブックの作成に愚直に取り組んだ結果、 50年間に渡って集めた大量の情報が、今の私を育ててくれたのである。

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