鬼 100則 40聖域なしの総棚卸 自社内でもそうだったが、私の経営塾の塾生にもよく「棚卸をしよう」と言っている。だがこれは、単なる在庫の管理のことではない。日々の経営に追われ、なかなか見直すことができずにいるルーティンのように当たり前に回っている全てについて、一旦、ゼロベースで考え直してみることを言う。 ものに経年劣化があるのと同様に、経営にも当然、経年劣化がある。人生をかけた夢の実現に向かって、社長はときに経年劣化した部分を発見して補正をすべく、経営そのものを棚卸しして総点検をしなければならない。 起業したときから時間が経ち、社会情勢が変わり、業界の事業環境も変わってきているのである。果たして今の自社の立ち位置はこれでいいのだろうか。そもそも、ドメイン〝即ち、自社が戦うビジネスの土俵〟は正しいのか。もしかすると、それを支えてきた経営理念でさえ、すでに風化してさびれているかもしれない。 自社内にあってはまず組織。もう少し組織は強靭に鍛えられないか。社員は適材適所に配置され、それぞれが成長し、会社に貢献できているか。そもそも社員を支えるマニュアルは現状に合っているのか。社内の誰もが使いこなせる、シンプルかつ、実情に合ったものなのか。 次に商品。商品は陳腐化していないか。在庫状況は不自然ではないか。不良在庫は一定の基準内か。トータルの不良品率で納得せず、この際一品一品について検証する。 ついでに商品の販売先、仕入先も総棚卸の必要がある。どこかに偏った取引をしていないか。長いつき合いで、不自然な癒着や忖度は生まれていないか、などである。 さらに、我が社の立地や建物はどうか。新しい道路や商業施設ができたことで、顧客の動線が変わってきていないか。そもそも、これまでのようなオフィス、店舖が必要なのだろうか。建築にも、問題が発生していないか。地震や洪水に耐えられるだろうか。 このように社長が目を配るべき項目は果てしなく多い。「自社の経営に関する全て」を棚から卸してまな板の上に乗せ、再度見つめ直し設計し直すのである。だが一番重要なのは、社長の頭の中の棚卸だ。
目次
コメント