鬼 100則 71現場に神宿る 「現場に神宿る」という言葉がある。中坊公平氏(弁護士)の言葉だ。また、「神は細部に宿る」というドイツ建築家のミース・ファン・デル・ローエ氏の言葉もある。 社内で何か、事件・事故が発生すると、社長をはじめ、幹部連中が終日集まって会議に次ぐ会議の中で右往左往する。だが、事件の原因のさらなる原因は、社長室内にも、役員室内にも、会議室内にもない。現場にあるのだ。兎にも角にも、現場に足を運び、原因を追及しなければことははじまらない。 現場に足を運んだら、 1人 1人からヒアリングをし、 1枚 1枚の資料を分析し、その中に潜んでいる原因を追及する。原因を発生させた元凶を、根元まで深く掘り下げて探るのだ。探し求める元凶がそこに潜んでいるに違いないからだ。 私の場合、まず社内の組織図及び、社外との関連図をにらみつけながら、発生した事象の関連性をたどる。そして、然るべき人をセレクトしてプロジェクトチームを組む。 私の代わりに彼らがチームとして現場に赴き、原因の原因までとことん掘り下げ、 1人 1人からヒアリングをし、 1枚 1枚の関連資料を分析するのだ。 神様が支配する現場には、数多くのヒントが潜んでいる。ちょっとしたことでも何らかの兆しと捉え、その兆しと思われる事象を極大化したり極小化したりしながら、あらゆるシミュレーションを行うのだ。 そして、その中から浮かび上がってきた気になることをつなぎ合わせてみる。つなぎ合わせながら線にして、最終的に画像に仕上げていく。彼らは、それらについて逐一上層部に報告しながら、原因の元凶を絞り込んでいくのである。 社長室や幹部会において、さらには頭の中でいろいろ思い巡らせてもまとまりのなかったことについて、現場のあらゆる情報に接する内に大きな解が見えてくるのだ。 まさに、〝現場に神宿る〟〝神は細部に宿る〟である。 何か問題が起きたとき、社長らしく振る舞おうなどとして、これまでの経験から軽々しく事件の原因を判断してはならない。まずは現場に足を運び、現場を預かる社員の話を聞きながら、現場のどの部分に事件の元凶が潜んでいるのか、謙虚に追及する姿勢が大切なのである。
目次
コメント