ジョイントベンチャー VS共同経営 ジョイントベンチャーと共同経営、どちらも仲間内で「一緒にビジネスやろうぜ」と集まって事業を始めるという点で、似たような部分がありますが、この両者にはかなり大きな違いがあります。 まず、ジョイントベンチャーはそれぞれが仕事でつながっているというイメージがわかりやすいかもしれません。一つの事業やプロジェクトがあった場合に、各々がその事業やプロジェクト単位でつながり、それが終わったら解散する。そんなビジネスの形態です。 一方で共同経営とは、一つの会社があった場合にその会社の中に複数の経営者が存在し、それぞれが対等な立場として会社を運営する。そんなイメージです。 これは私の経験上の話ですが、共同経営でうまくいくケースはほとんどありません。大抵の場合、失敗で終わります。 大学での友達同士で起業したり、中学の同級生と店を出したりなど、共同経営の例は枚挙にいとまがありません。しかし多くの場合、最初は協力し合って事業を始めるものの、段々とズレが生じて、最終的には仲違いして終わってしまいます。 仲違いの理由はさまざまで、売上が上がっていけば取り分で揉め、事業がうまくいかなくなると誰が負債を負うのかで揉めます。事業がうまくいってもいかなくても、必ずと言っていいほど共同経営では揉めるのです。 これが、力関係がはっきりしているような関係ならばいいのです。大抵の場合、立場が強いほうの判断が優先されるからです。 しかし対等の立場となってしまうと、意見が分かれたときに対立し、最終的にどちらかが折れたとしても軋轢は生まれてしまいます。そうなると最終的には袂を分かつしかなくなってきますから、どうしても長く続けることが難しいのです。 一方で、ジョイントベンチャーはどうでしょうか。 最近のジョイントベンチャーの主流は、一人社長のような形で会社を作り、自分の仲間たちと業務委託契約を結びながら一緒に仕事をするという形です。 同じ会社で一緒にやるのではなく、それぞれが個人事業主または会社として付き合っていくのです。この場合は仕事でつながる形なので、会社の方向性の違いなどはなく、非常にいい距離感で関係が保てます。 私の顧問先のとある一人社長は、年商が 4億円もあるにもかかわらず、仕事を一人で切り盛りしています。その会社はすべてが外注や業務委託で動いているため、組織形態を見るとバラバラに感じますが、しっかり一つのチームになって組織的に動いています。 チームを見ると長年一緒にやってきた仲間のように見えますが、その中に一人も社員がいないという……なんとも不思議な話です。共同経営のように内部の人間関係のストレスがないため、長く関係が続くのでしょうね。共同経営ではあんなに仲が悪かったのに…… 共同経営からジョイントベンチャーに変更してうまくいった典型的な例がありますので、ご紹介します。 私の顧問先で、一つの会社にコンテンツと営業とシステム、それぞれ 3名で共同経営をしていた会社がありました。 それぞれ別々の仕事ということもあり、これなら共同経営と言えども大丈夫だろうと最初は思ったのですが、この会社も例外ではなく、経営者同士で大揉めをしてしまいました。 それぞれのセクションで話を聞く機会があったので「なんで揉めているんですか?」と聞いてみると、「営業が仕事を取ってこないから全然売上が上がらないんだよ!」「そもそも、コンテンツがおもしろくないんだよね」「システムが使いづらいから、マジでなんとかしてほしい」 と、それぞれがそれぞれを非難するような様子でした。 これはうまくやっていくのは絶対に無理だなという段階で、予想通り 3人は別れることになったのです。 結局その会社は3つに分裂し、それぞれ独立した会社になったのですが、その後にその 3社で一緒に仕事をするようになりました。出版系の会社なのですが、かつて大揉めしたのが噓のようにうまくまとまって仕事をするようになり、事業としてもかなり大きく成長しています。 そこは今も 3社で仲良くやっていますから、本当におもしろい話です。
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