社宅を借り上げる VS住宅手当を支給する 借り上げ社宅と住宅手当の支給、どちらも会社が用意する福利厚生として魅力的ではありますが、選べるのであればどちらがいいでしょうか。 結論からお話しすると、借り上げ社宅のほうが、さまざまな面でメリットが大きいと言えるでしょう。これは、住宅手当の場合、支給金額がそのまま課税対象になってしまうからです。 つまり、住宅手当が支給されることで給与が底上げされ、それに伴って所得税、住民税、社会保険料が上がってしまうということです。 一方、借り上げ社宅の場合はどうでしょうか。 借り上げ社宅の場合、「企業が社員から受け取っている家賃が賃貸料相当額の 50%以上であれば、受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額は給与として課税されない」という決まりがあります。 つまり、企業が家賃を払い、従業員から賃料の一定の割合の金額を徴収しておけば、その差額に所得税や住民税は課税されません(ちなみに賃貸料相当額というのは、家賃を指すのではなく、別に算出方法があります)。 そうなると、住宅手当が支給されるよりも、借り上げ社宅のほうが課税される金額が少なくなるため、同じ金額であれば借り上げ社宅のほうがお得という結果になります。 借り上げ社宅と住宅手当で考えたときには、従業員にとっては借り上げ社宅のほうがありがたいですし、経営者としては社会保険料の負担を減らすことができるので、やはり借り上げ社宅のほうが得になると言えるでしょう。 ただし、注意点もあります。 そもそも税法は「公平性」が大原則です。 つまり、特定の人だけがメリットを享受する場合には、その方に対する給与を支払ったものとする、という考えです。 これを「現物給与」と言います。お金以外での支給がこれにあたります。 主に次の3つが該当しますので、頭の中に入れておいてください。 1.社宅を無償で提供する 2.社宅家賃を税法規定より低額で給料から天引きする 3.特定の社員や役員だけに社宅を提供する もし税務調査で指摘された場合には、源泉所得税が徴収されることになります。 また、現物給与は社会保険料の対象になりますので、ダブルパンチになります。 この所得税は本来、従業員が支払うものですから、会社としては徴収しないといけません。ただ、従業員に対して今さら「会社の経理が間違った処理をしたので、過去にさかのぼって給料から天引きさせてください」とは言えないでしょう。結局は会社負担になり、キャッシュアウトすることになります。 これは知っていれば防げることなので、ぜひ知識として覚えておきましょう。
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