ポイント ❺ B/ Sを累計で見る B/ Sを理解するための最後のポイントは「 B/ Sを累計で見る」です。 ほとんどの経理担当者や会計事務所は毎月、当月分の B/ Sしか出しません。 しかし、経営者が見るべきは期首から当月までの B/ Sの勘定科目がどのように変化したかです。 そのため、 B/ Sは累計でも見る必要があるのです。 累計 B/ Sでわかるのは、現預金、借入金、純資産、売上債権、買掛債務、棚卸資産、固定資産の動きです。 当月のみの B/ Sではこれらの動きがわかりません。 特に累計 B/ Sで見るべきポイントは、「長期借入金」の返済額と「減価償却累計額」と「当期純利益」の3つのバランスです。 社長の関心ごとの1つに「借入金」がありますが、「自己資本比率」を高めることによって、「借入金依存度」(総資産に占める借入金の割合)は減ります。つまり、借入金が少なくなるのです。 もし、「長期借入金」の返済額より「減価償却累計額」のほうが多ければ、原則として利益がゼロでも借入金の返済ができます。少なくとも当期純利益 +減価償却累計額が返済額を上回れば、追加借入をして借入金を返済する必要はありません。 しかし、現実はほとんどの会社で借入金返済額のほうが、当期純利益 +減価償却累計額を上回っています。 中小企業の B/ Sの理想は、完全無借金で「自己資本比率」 60%以上、「現預金比率」 60%以上です(第 5章でくわしく説明します)。 まずは「借入金依存度」 33%、「自己資本比率」 33%、「現預金比率」 33%が目標となります。現預金 ≧借入金の実質無借金で、自己資本と同じ額の現預金を持つということです。 B/ Sはお金の動きと残高を表しているので、各科目の金額の増減を見ることはできますが、 B/ Sの各科目の借方、貸方の増減からお金の動きを適切に読み取ることはなかなか困難です。この増減部分を要約して、わかりやすく表現したものが C/ Fなのです。 B/ Sを見るときに、 C/ Fも併せて見る必要があるのはこのためです。
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