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自己資本比率を上げるために「当期純利益」を「利益剰余金」に積み上げる

自己資本比率を上げるために「当期純利益」を「利益剰余金」に積み上げる  では、どうすれば会社を財務体質の強い会社にしていけるのか、ここでは第 2章で述べた変動 P/ Lを見ながら、具体的な手続きを紹介します。変動 P/ Lは、売上から仕入れや材料費などの変動費を引き、粗利益を出し、そこから人件費や販売管理費などの固定費を引いて経常利益を出したものです。ここに特別利益や特別損失を足し引きすると、税引前利益が出ます。  一般に、税引前利益のうち約 3分の 1が法人税などの税金に取られるので、税引前利益の残り 3分の 2ほどが「当期純利益」になります。  毎年決算時に、 1年間の事業成績である P/ Lの「当期純利益」が、毎年 B/ Sの右下の純資産(自己資本)にある「利益剰余金」に積み上がり加算されるのです。 ● P/ Lの「当期純利益」を B/ Sの「利益剰余金」に足していく  時系列に沿って見ていきましょう(左の図参照)。

たとえば、 1500万円ほどの税引前利益が出た会社を想定します。  このうち 1/ 3ほど、つまり 500万円ほどは法人税として支払うので、残り 3分の 2の 1000万円が「当期純利益」になります。  この「当期純利益」 1000万円が、前期の B/ Sの純資産にある「利益剰余金」に加算されて、積み上がるわけです。  来年も税引前利益が出れば、同じように税金を支払って、同じように残りの 3分の 2ほどを純資産に入れていきます。この繰り返しです。  こうして純資産を年々増やしていくことが王道の経営です。  しかし、一般的な中小企業の多くがこの真逆のことをしています。  たとえば、決算前に今期かなりの経常利益が出そうだ、という見立てが出てくると、節税として決算前に何かを買って経費を増やし、税引前利益を減らす経営者がいます。経営者だけではありません。それをすすめる税理士もいます。経費が増え、税引前利益が圧縮されると、支払う税金が減って経営者が喜ぶというわけです。  しかし、これでは純利益も減るので、利益剰余金はあまり積み上がっていきません。当然、 B/ Sの純資産はなかなか増えず、自己資本比率も高くならないのです。毎年、こうしたことを繰り返すと、いつまでたっても純資産が増えず、財務体質は脆弱なままです。  もちろん、必要なタイミングでの節税は大切ですが、不要な経費を増やしてまで節税をするのは論外です。  大きな経済危機やトラブルがあってもビクともしない会社は例外なく、きちんと利益を出し、税金を払って「利益剰余金」という純資産を積み上げてきた会社なのです。

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