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後継者

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経営者の座がいかに厳しく難しいものであるかは社長である自分が、いちばんよく知っているはずなのに子供のことになると盲日になってしよう。

多くの創業経営者は、徒手空拳、全くの無一文から、会社の今日を築き上

げた人が多い。その苦労たるや経験した人でなければ分からない。それだけに、

自分の息子にだけはこんな苦労はさせたくない、という気持ちになる。その

親心から、つい息子に甘くなる。甘やかされた息子は、世の中を甘く見、生

活の苦労を知らないだけに他人に対する思いやりも少ない。このような人は、

社長として、最も不適格な部類に入る。

その不適格者を、自分の後継者にするのだから、うまくいくはずがない。

それを、盲愛から、学校を卒業すると自分の会社に入れて、数年のうちに、

専務や副社長にする。いかに親の愛だろうと、本人に力量が備わっていない

のだからこまる。親の目の黒いうちはなんとかボロをださずにやっていける

かもしれない。しかし、親がいなくなったら、とたんにボロをだすハメになる。

一倉定の社長学第7巻 「社長の条件」より

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