市場をみる目を、いかにすれば養い得るか。それは感性いかんにかかっている。ではクリ
エイティブな感性を養う方法は何かというと、次の三項目を申し上げたい。
①商人マインド
②楽観主義
③OOバカに徹する
マーケティング的感性は天分ではない。日頃の心掛け、行動姿勢にある。
①商人のマインドとは、ころんでもタダで起きないということだ。大阪商人に多いと思う
が、道で倒れても、立ち上がるとき何かを拾う。また、倒れた理由を探り、再発を除去
するようにする。
ころんでも、周りを気にしてスグ立ち上がって、何もなかったような顔をつくるという
のでは感性が養えない。
お金につながるものはないかを常に念頭において、街を歩く。テレビを見ていようと、
他人の話を聞いていようと、自分のビジネスにつなげて発想させる訓練を持つことであ
る。どうしたらお客様に我が社の売りものを買っていただけるかと、四六時中考えて生
活するのである。頭の中は商人魂が詰まっているのだ。
②楽観主義は、明るいものの考え方を持つこと。世の中、千三つといわれるほど失敗のほ
うが多いが、ヒットをねらい、エラーをすればどうしようかとばかり考えていては何も
できないと思う。
常にトライ&エラーの自党の下に明るさを忘れないことが、発想の基本である。視野の
狭い悲観主義では感性の力の字も出てこない。
③OOバカになりきる。これは、この道でメシを食っている○○バカ、プロフェッショナ
ルを貫くことだ。
コンサルタントとしての私の場合、顧問先へは月間二〜三回しか訪間できない。まして
や作業や販売の現場に立つのは年に二〜三回ぐらいだ。しかし、それでも「見る目」「判
断力」の点からして、問題点の察知はそこの幹部に負けない自負心を持っている。カン
が働くというか、よく当たるケースが多い。
一つのことに集中していれば、見えないものが見えてきて洞察力がとぎすまされていく。
ある会社の社員教育に行ったことがある。教育の結果によっては、経営指導に入るつも
りでいたが、どうも私のカンにひっかかるところがある。社長は、私に何か隠している
のではとピーンときた。月々の業績は決して悪くなく、社員も明るいが月次のB/S、
P/Lをジッと見てみるとどうもひっかかるものがある。売上も粗利益も上昇している
が、実際に経理の内容を洗ってみたら案の定、融通手形が出てきた。
やがて、融通先が倒産し、同社も連鎖倒産した。
私の場合、いただいている顧問料は高額だが、そこにお勤めの社員の方に較べると在社時
間は極めて少ない。それだけに一所懸命だ。この一所懸命の思いがプロとしての感性を養い、
カンも鋭くなると思っている。
新商品を売り出す。はじめてしばらく赤字が続いた。その内に良くなるであろうとズルズ
ルやっている。プロとしての感性があれば三カ月も経営すればこれが伸びるかダメな商品か
見えてこなければウソだ。いつまでも撤退しない甘い考え、ピーンとくるものがない経営者
は
バカになりきっていない。
バカになって、日常行動、業務を身につけることこそ、感性養成の大きな基本である。
仕事にのめり込んでいれば、カンは冴えてくる。それが見えてこない経営者は、すでに失
格だといいたい。経営センスの欠如である。
マーケティングにおける感性というのは見えないものが見えてこなければダメで、雑念が
折りに触れて現れ、あれもよいこれもよいと迷うようでは、未熟の証拠である。
芸術家、専門学者とか、また職人根性の持ち主などは、そのこと一筋で、世事にはうとい
といわれる。この道に生涯を捧げる、これも一種の○○バカである。マーケティング的感性
は技術だけだ。決して天分ではない。市場を見る日は天分より努力が優先する。
天分については、歌手などには必要であろう。しかし、声や音程が優れていてもはたして
スターになれるか?・それをタレントにして養成するのはプロデューサー。プロデューサー
は実に努力がいる‥要するにプロデューサーは、タレントの欠点を無視して、商人マインド
を持ち、長所だけに着眼して天分を引き出す。四六時中、タレントの売り込み策を考えて、
企画する。
そうした面から見ると、プロデューサーは、芸術家ではなくマーケッターだ。見方を変え
れば、経営者はプロデューサーといえる。経営者は、歌は歌わず、歌を歌わせる役日である。
商品はつくらせる、商品を売り込ませる仕事に徹するということだ。
経営者はすべからくプロデューサー的発想が必要だといいたい。
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