「モノ」を売るなと申し上げているが、サービス産業社会の到来で、「モノ」にサービスを付
加した商品化を急がねばいけない時代になってきた。
サービスの商品化いかんが、今後企業として生き残り、勝ち進む一つの道であると思う。
カナダのトロント市にあるプリンスホテルで、かつて、同ホテル総支配人であった山崎喜
久雄氏に現地でお聞きしたことであるが、メインダイエングは正式のコックは、四〜五人し
かいない。フルコースの宴会などある場合、このコック数でやれるのかと聞くと、総支配人
はそれで十分だという。
理由は、スープはスープ会社から届けられる。サラダ、オードブルなどみなカミサリーの
専業者から決められた時間に届く。ホテルでは、盛り付けなどが重点で、わずかな調理しか行わない。
カナダという国は人が極端に少ないため、顧客は厨房でつくられた料理よりも、 一人の人
間にどれだけサービスするかということに価値を見い出している。
要するに、ホスピタリティーサービスをするほうがより価値があるということである。
だからプリンスホテルでは、製造面の人件費は押さえて、営業人件費(ボーイとかウェー
トレスなど)へ回す。それがサービスの質の向上となって、お客に会話も含めてサービスが
展開されてくることになる。
そのときに私は今に、日本でもサラダやオードブルを製造する半加エメーカーがやがて出
現するであろうと予感した。
〈実例〉
東京の(株)三ツ和は、カナダでのこの実例をヒントに、各チェーン店に配る「ごはん」の工
場を自社でつくっている。 一日一五トンの「ごはん」をつくって各レストラン、ホテル、大学
食堂、社員食堂に送っている。
必要なときに、必要なだけの量を配送する、オンタイムサービスのごはん工場の稼動であ
る。各現場での炊飯スペースは不用となり、効率でかなり向上が進んでいる。
カナダでは人件費であったが、今日の東京では地価である。厨房スペースをいかに省くか
がポイントである。東武デパートの社員食堂の厨房のスペースは、目をみはるものがある。
当然ここでも「ごはん」は、三ツ和から購入している。
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