毎日顧客のところへ訪問し、販売活動をしていると常に顧客からの「あなたの会社の商品
は良くないから売れない、高いから売れない」と仕入れ価格を有利に導くための駆け引きで
難クセをつけてくる。
どんな意志強固な人間でも何十回、何百回と間かされれば、本当に我が社の商品は、商品
力がないな―と落ち込んだ考え方になってしまう。
自社内の会議に出席しても結局「高い」「悪い」と報告してしまう。
セールスマンは、果たして「モノ」だけ売っているのだろうか。そうではない。セールスマ
ンの売っているのは、知名度。経営者の姿勢。社員の資質、店舗の雰囲気、立地条件などの
会社のすべてを売っているのだ。電話の応対でも商品力としてみることができる。商品を渡
すときの包装もそうであり、商品としての考え方が、その商品だけと思っていては、大きな
間違いである。
給食業界の中でも会社へ配達しているボックス弁当業界は、値段競争の業界だ。これも弁
当だけ売っているのではない。定時間配達・異物混入有無。内容の維持力・配送時の基本動
作・制服。みだしなみ。請求書のあり方・変更の応対・衛生管理・設備能力などこうしたも
ろもろが商品力でなければならない。
長い取り引きの間には、「モノ」そのものよりも周りのものの価値が会社の総合力、商品力
として見えてくる。
だから、その面を訴えかける商品力強化の発想を、トップ陣はすべきである。商品力の善
し悪しは、「モノ」だけでないことを銘記すべきだ。
そして決して弱気にならないセールスマンの強い意志力を維持させ、自社の総合力が商品
力であり会社全体を売り込む、「モノ」を売り込まないセールスマンの育成が重要となってく
る。
神戸市のファッションメーカーにワールドがある。
同社のセールスマン活動は他社のそれと全く違っている。セールスマンとは、次の二つが
できることが必須条件である。
①ディスプレイーーその店舗の決められているテーマをもって、各店舗のショーケース・
ウィンドウでのディスプレイを指導して、実施することができる。
②インストラクターーー百貨店とか一流高級婦人服店とかで、女子従業員の接客、セー
ルスなどに対して指導員としての仕事をやり、実技を実演してみせる。
③情報収集― ‐訪問店で他社の商品の、売れ筋商品を中心に、情報を集め、さらに、自
分の判断で良いものは購入して、サンプルとして社に提供する。
この三点を中心に活動している。
セールスでの本題として考えられていた売り込みは、シーズンの見本市会場で、今シーズ
ンのテーマと商品販売予測を決めてしまう。
代金回収も、物品配送も、セールスマンの仕事ではなくなってしまっている。いつまでも
「モノ」をはこび「モノ」をおしこみ、頭をペコペコのみやればよいと考えるセールスマンでは
時代に取り残されてしまう。
マーケッター、マーケティング発想のコンサルティングセールスマンに変化していかなけ
Ⅱ マーチャンダイジング
れ
|ゴ
な
ら
ない。
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