社風は社長がつくる。積極的で伸びやかな社風も、なにか暗くて何事にも後ろ向きな社風
も、すべて、社長がつくりだしているのだ。この自覚は大事なことである。
部下は社長の一挙手一投足を見ている。よその会社に電話して、部下の方が社長と同じよ
うな話し方をするのに驚くことがある。皆さんもご経験のはずだ。社長のちょっとしたしぐ
さや話し方の癖までまねるのが、部下なのである。
同族企業では多い例だが、なにもしない社長の奥さんに、朝から夜遅くまで一生懸命働い
てくれる人の何倍もの金額を給料として出す、個人のお歳暮を会社の費用でとか、子供の車
を会社の経費で、という公私混同の例は枚挙にいとまがないほどだ。
極端な例では、社長の家族が契約デパートヘ行って日用品や食料品から衣服、宝飾品に至
るまで好きなものをツケで買って、会社が商品券の形でその経費を落とすということが実際
にあったのには驚いてしまう。その会社で働く社員は哀れというべきだろう。
これがそのまま社風になったらとんでもないことになる。社長がやるならわたしもオレも
で、あそこはちょっと問題だね、などと得意先や仕入れ先の噂になるようでは、まさに先行
きが思いやられる。こんな会社では、いくら社長が経営ビジョンを発表しても、白けきった
社員の本当の協力は得られない。結局、社長のわがまま勝手の面倒見は真っ平ごめんという
ことになりかねない。
もし読者の会社の社風がすばらしいと、外部からの評判であれば、社長は今の行き方を自
信をもって、進めていただきたい。しかし、ちょっと気になるような評判を耳にするような
ことがあったら、その原因は社長自らがおつくりになっていると自覚してほしいものだ。
さらに、前章で述べたように、長期計画による好循環サイクルが社風となることこそ、会
社の長期繁栄の要点であると、心得てほしいものである。
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