社長の優柔不断は百害あって一利なし、である。
経営の現場では、緊急に結論を出さなければならないことも起こる。このときに社長が優
柔不断であると、部下としても対応の仕様がない。大きく発展するチャンスをみすみす逃し
てしまったり、小さな損害でくい止められずに大きな損失を招いたりしてしまうものだ。
緊急を要する対応でもすぐには態度を決められないのだから、会社の将来の方向づけや、
部下から持ち込まれるさまざまな相談や提案には、慎重も慎重、よく考えておくと言ってそ
のままほったらかし、ということになりやすい。催促されても、もうちょっと待てと言うば
かり。これでは無気力な会社になってしまう。せっかく訪れたチャンスにも乗れない。
社長は、即座に結論を出す習慣をつけなければならないのだ。
優柔不断の原因は、単に社長の本来の性格のためというだけではない。会長・専務との複
雑な力関係、あるいは親会社・子会社との力関係などさまざまな要素があるようだ。
しかし一番の原因は、社長自身どう決めたらよいのか分からない、という当たり前のこと
だ。あとはすべて、言い訳にすぎない。父親の会長が頑固でなかなか首をたてに振らない、
弟の専務が工場の責任者だからこの件は俺の一存では、親会社が何と言うか等、すべて自分
でどうすべきか判断できない言い訳である。
日ごろから考えていないから分からないのだ。うるたえてしまうのである。
毎日の実務のうえで、大きいことや細かいことや、何が起こるか分からない。それらに即
座に結論を出すためには、日ごろから考えていないと判断がつかない。結論が出せないのだ。
もちろん社長はテレビや電話の人生相談の先生ではないのだから、いちいち細かいことにま
で当意即妙の名答を出す必要はない。経営の大きな判断を間違えなければいいのだ。
長期計画こそ、社長が即決できる最も有力なよりどころである。もし社長が自分で長期計
画を立て、運営していれば、何も困ることはない。判断の基準は社長の頭にしっかりと用意
されているからである。ピントの外れた対応をするわけがないのである。
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