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減価償却率は毎年ほぼ一定する傾向にある

では、五年後の設備投資の枠は何を基準に決めていったらいいのだろうか。

読者ご自身の会社の、過去三年なり五年なりの設備投資の内容と償却率をぜひ調べてみて

いただきたい。投資の内容と償却率が、毎年あまり変わっていないという面白い傾向にお気

づきになるはずだ。

ある年は機械を入れ替えたり、ある年は測定器や冶工具を入れたりといったように、年度

ごとに設備投資の金額が異なっていても、設備投資の構成比率はおおむね一定しており、し

たがって償却率だけは「へえ―」と感心するくらい似たような数字が並ぶものなのである。

不思議な現象だが、やはり経営には社長の性格が反映されるものなのだろう。要するに、社

長が代わらない限り、あるいは業種転換をしない限り、投資の内容は変わらず、相対的に償

却率はあまり変わらないものなのだ。

ここが社長の目のつけどころである。つまり、過去三年なり五年なりの投資の内容と償却

率を調べ、それを基準に五年後の償却率を設定する。社長としてつかむ償却率は、これでい

いのである。また、これでなければつかめない。

したがって、五年後の設備投資を考える場合、「三年度は何と何に投資するから償却率は

何%になり、四年度は建物にいくら、機械にいくら投資するから平均何%の償却率になる。

そして五年度は……」といったように、設備ごとに細かく考える必要は全くない。過去の償

却率がほぼ一定しているのだから、それが社長にとっては償却率のマスター数字になるのだ。

仮に過去の償却率を計算してみて、大体一五%と算出されたとしよう。五億円の設備投資

なら七五〇〇万円の減価償却となる。そういうとらえ方が大事だ。そうすると、五年後の減

価償却の枠が決まっているわけだから、それに収まるように設備投資の枠も簡単に押さえる

ことができるわけである。

こういうマスター数字を把握しておくと、長期の設備計画の可能性を実証する場合、非常

に便利だ。その意味でも、ご自分の会社の償却率をぜひ出してみていただきたい。

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