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五年先までの給料を実証する

まず社員にとって一番大事な給料を上げていかなければならない。

以下、第13表をご覧になりながら読んでいただきたい。

①既存社員の五年先の給料を予測する

定期昇給分の三%は当然として、今後の物価上昇をどうみていくか、これを決めなければ

五年先までの賃上げ率が決まらない。この会社は、賃金水準だけはまあまあであるから、今

後の賃上げも世間並みに準じていけば、給料の水準がヨソに劣るということにはならないわけだ。

では、五年先までの物価上昇がどうなるか、これははっきりいって、だれにも正確に分か

らないのではないか。ただ、世界中、歴史が始まってから今日まで、物価は上がりつづけて

きたことだけは確かだ。これからも不況などの影響で一時的な停滞はあっても、上がりつづ

けることは間違いない。

ただ当面の五年間だけでみると、経済成長率二〜三%、物価上昇率一・五%とみておけば

そう大きな狂いはないように思う。運営基本計画もこのような成長率を前提に計算してみた

わけだから、賃上げ率も三プラス一・五で、四・五%が最低線とみていいだろう。しかしこ

れだけでは、世間並みの水準を維持していくだけのことである。人事や経理の人の計算なら

これでよいが、社長としての考え方ではない。

人をあまり増やさずに売上を大幅に増やしてほしい、労働生産性を五年後に倍にしてほし

いと社員に強要しておいて、これでは社員のやる気は生まれまい。そこで社員にモチベーショ

ンを与えるためにも、思い切ってもう一%上乗せしてみよう、このように考えて、賃上げ率

五・五%で五年間の給料をシミュレーションしてみる。

結果だけ申しあげると、五年先の、今いる社員の給料合計はおよそ月に三二四〇万円にな

る(第13表の右上、既存人員の給与の欄参照)。

②増員社員の給料を予測する

さて、毎年一人採用していく新卒の給料の推移はどうか。

初年度は大卒の初任給水準を一八万円とし、二年度以降の初任給は世間のベースアップ率

(ここでは物価上昇率と同じと仮定する) 一・五%を乗じたら、計画上の初任給は単純に計

算できる。すなわち、日∞p8o×ro覇= 〓∞いヽ8、端数を切り上げて一八万三〇〇〇円が、

二年度目の初任給額になる。

しかしどこの会社でも、優秀な人材がほしい。特にエレクトロニクスに強い技術系とな

れば、単に物価上昇分の初任給是正でよいものだろうか。やはり少しでもよい人材を採

りたいから、さらに四〇〇〇円加えて二年度目は一人万七〇〇〇円、同じく三年度日は

一九万四〇〇〇円、以降三〇〇〇〜四〇〇〇円ずつ物価上昇分に上乗せしていって、五年後

の新卒者の初任給を二一万円としてみる。社長のやる計算であるから端数まで細かいものは

必要ないが、あくまで自分で予測して、計算してみることが大事だ。

そうすると、これらの増員分の給料について翌年からの賃上げを五・五%で実施していく

と、五年後には、五人の増員で月に約一〇八万円必要となることが分かる。結局、正社員の

給料は月に三四四九万円ほどになると、試算できたわけである。

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