社長の夢の実現計画が、運営基本計画という形に一応まとめられたら、次にその実現の可
能性を、経営の三要素である「ひと」「もの」「かね」の面からチェックしていかなければな
らない。
人件費の裏づけ、設備投資の裏づけ、運転資金の裏づけ、金融計画の裏づけなどをチェッ
クせず、五年後の売上や利益を設定しても、それだけではまだ本当の意味での長期計画とは
いわない。絵に描いた餅が、ちょっぴリリアリティを帯びてきたといったところだろうか。
これを本物に近づけるには、社長自らが、いろいろな側面から計画の実現性をチェックし
てみることだ。そうすることによって、社長の夢や野望がさらに磨かれ、より具体性を帯び、
一層明確な確固たる経営ビジョンとなっていく。
たとえば「ひと」の面から見ても、社員が満足してやる気を出してくれるような給料や賞
与を支給していけるか、社長がデカい顔のできる分配になっているか、他の付加価値配分先
とのバランスはどうか、その他、人員の問題、働く環境の問題、人材育成の問題など、チェッ
クしなければならないポイントはたくさんある。
「もの」の面からいっても、将来の業績拡大に向け、設備投資を活発にしたり新たな店舗
展開を図ったりしていくのに、この分配で本当にやれるのか、在庫計画はこれでいいのか、
資金への影響はどうなのかなどをチェックしなければならない。
さらに「かね」の面からいえば、自己資金でどれだけやれるか、資金はショートしないか、
資金調達をどうするか、融資を受けた場合、会社の収益性や安全性にどう影響するか、税金
への備えはどうかなど、チェックするべき点は多い。
ほかならぬ自分の事業の基本計画である。部分的にではなく全体的に、ポイントをついて
的確に、複雑でなく単純に、基本計画の実現性をチェックしていく。それを社長自らの手で
チェックすることが重要なのだ。
そのために用いるのが、次に述べる①〜⑦の計画作成に必要な七つの表である。社長は、
これらの表を用い、手順に沿って基本計画の実現性を検証していくのである。これをわたし
は「実証作業」と呼んでいる。
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