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社長の考えを数字にする

社長は、自分の考えを数値化するクセをつけるべきである。

このことは第十章でもまとめて述べることだが、長期計画を策定するうえでの大前提なの

である。

改めて言うまでもないことだが、社長は人一倍ロマンチストでなければならない。そうで

なければ大失敗の可能性もある事業を、自分の人生を賭けて、新たに興したり経営を続けた

りできるものではない。それに社長は人一倍人情家だ。そうでなければ、生まれも育ちも違

う多くの人を率いていけない。人並み以上に人間の情緒というものを大事にしているのが、

社長と言ってよいだろう。

一方、数字は人間の情緒と対極にあるものだ。理屈の世界で実に客観的である。数字の約

束ごとはドライで、情の入り込む隙間もないようである。だからこそ、溢れるような社長の

情も整理してくれる。社長の情緒を冷静にコントロールしてくれるものが数字なのである。

つまり人並み以上の情緒に溢れているからこそ、社長には人並み以上の冷静な数字のコント

ロールもまた必要なのである。経営はバランス、と申しあげたが、社長の頭の中で、夢と数

字とのバランスこそ一番大事かもしれない。

社長は自分のロマンや夢を数値化する、言い換えれば、経営の数字に社長の意思を込める

ことが必要なのである。社長は会社の数字を意図的に創り出す人でなければならないという

ことだ。

事業の経営には数字の約束ごとがつきものである。ところが幸いなことに、用いられる数

字はそう難しいものではない。小学生の知識で十分ときている。それでいて、商売の長い歴

史の中で培った経験則から、社長にとって非常に重要な決断の根拠となるものだ。数字は、

社長の考え方を明快に整理してくれる実に便利な道具なのである。

事業経営を簡単にするには経営の定石を踏まえることだと、申しあげた。そして多くの経

営の定石は、数値化することによってより客観的な判断材料となる。

たとえば、「もっともっと儲かる会社にしたい」というのであれば、総資本利益率を社長

がつかんでいないといけない。「いざというときにビクともしない会社に育てたい」という

のであれば、社長が自社の流動比率を具体的につかんでいないと、単なる寝言ということに

なる。

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