社長の野望をコントロールするもうひとつの大事な要素は、「役割意識」である。
これまでに説明してきたように、社長の役割は、第一に「将来の方向づけ」であり、第二
に「関係者への付加価値の分配」にあった。社長という仕事を選んだ以上、自分の野望や夢
は、この社長の役割と切っても切れない不即不離の関係にある。
気軽に、思う存分膨らませた社長の野望を少しでも実現に近づけるためには、その方向へ
会社を大きく向けていかなければならない。
同時に、実現に向けて協力してくれる相手にも、成果を分配してさらに実現に向けて協力
を得ていかなければならない。社員への分配をどうするか、再生産への配分はどうか等など、
結果として、周りから立派な社長だと言われるような役割を果たすことが必須だ。立派だか
ら尊敬され、尊敬されるから協力してくれる。それが最善の経営なのだ。
社長は、分配を通して自分の夢を実現させる人でもあるのだ。そうでなければ、自分の肝
心な夢を実現することは叶わない。
自社の現実と夢のギャップをつかみ、さらにこの「役割意識」から社長の野望を数値的に
整理していくうちに、これだという経営ビジョンがしだいに見えてくるはずである。自分の
夢を実現するための社長の覚悟、ポリシーが社長自身の中に固まってくるのである。
実は、次項でとりあげる「付加価値配分目標計画」は、これまでに説明してきた社長の野
望や夢を、明確な「経営ビジョン」に移し替える翻訳機のようなものなのである。
付加価値配分目標計画
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