ここで、第3表「付加価値配分目標計画」を見ていただきたい。
一見、付加価値の配分先を記した単なる一枚の表にすぎない。だが、これが実は、長期計
画を立てていくうえで非常に重要な役割を果たしていく表になるのである。
この一枚の表に、社長の野望と役割が表現されることになるからだ。
「付加価値配分比率」をどこから引き出してくるかなどについては後に述べるとして、社
長はまず、わが社の過去三期の付加価値配分比率をこの表に記入する。そして、記入したそ
れらの数値を見ながら、次に社長としての自分の夢を数字にして書き入れていくようになっ
ている。社長としての将来の夢を数字にあらわすのが長期計画である。五年計画であれば五
年後の、 一〇年計画であれば一〇年後の夢を描く。たとえば五年計画というのは、五年間の
計画を立てることではない。結果としてそうなるとしても、目的は五年後に自分の会社をど
うしたいかという社長としての夢を描くことなのである。途中のプロセスは後の問題だ。

したがって、表にはまず、社長の五年後の夢を数字で書き入れていく。しかる後に、夢と
現状とのギャップを五年間でどう埋めていくかを考え、これも数字にして残りの空欄に書き
入れていく。ということであれば、記入されたこれらの数字には、どの数字にも社長の夢、
社長の意思、社長の考え方、社長の役割意識が反映されていなければならない。ここが重要
なのである。
こうして社長の長期経営ビジョンが数値化され、この一枚の表に集約されていく。単な
る一枚の表にすぎないと思われたこの「付加価値配分目標計画」のひな型が、社長の夢を
凝縮した数値で埋められていくことによって、社長の野望の青写真となり、つまりは社長
の基本方針そのものと化し、長期計画の大事な土台となっていくのである。
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