社長の役割というものを、ここでもう一度繰り返す。根源のことだからしつこく何回も確
認しておきたいのだ。
事業は社長一人で成り立っているわけではない。社長と社員が一体となり、外部のさまざ
まな協力を得ながら付加価値を生み出していくというのが企業経営である。
生み出された付加価値は、付加価値造成に携わった人々や機関等にバランスよく配分され
ていかなければならない。それを考え、実行していくのが社長である。言い換えれば、多く
の協力者たちをいかにうまくコーディネートして付加価値を上げていくか、そうして生み出
された付加価値をいかにバランスよく、それぞれが満足するように配分していくかというの
が社長の役割である。この役割を果たしてこそ、はじめて社長は立派な経営者として認めら
れ、尊敬されるようになる。そこに経営の原点があり、本質がある。
付加価値の配分先をここでは表に示す一〇としているわけだが、社長の野望の実現は、こ
の一〇の配分先にいかに配分決定していくかにかかっていよう。第二章でもふれたように、
配分の方針次第で、会社は良くも悪くもなるからだ。
したがって社長は、鮮明な役割意識を抱くことだ。同時に、付加価値の分配にこそ経営の
本質があるということに関し、十分に理解を深めておく必要がある。そのうえで、この「付
加価値配分目標計画」の表に社長の基本方針を数字で書き入れていく。
長期計画を立てるに当たっては、これが非常に重要なポイントだといわなければならない。
分配の哲学のないところに長期計画はありえないのである。
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