次にバランスシートの左側を見てみよう。
バランスシートの左側は「資産の部」となっており、大きく「流動資産」「固定資産」「投資」
の二つがある。「流動資産」には現預金、売掛金、受取手形、棚卸在庫等があり、さらに
棚卸の中には製品在庫、仕掛品在庫、原材料、その他に仮払金など、諸々の科目が入って
いる。また、「固定資産」には有形固定資産と無形固定資産があり、有形固定資産には土地、
建物、設備などが、無形固定資産には借地権、電話の加入権などが入っている。そしてそ
の下に「投資」があり、合計がある。大体これがバランスシートの左側の基本的なかたち
だろう。
問題は、これらの勘定科目が一体何をあらわしているかということだ。
それは、バランスシートの右側で調達した資金をどのように使っているかという「資金の
使い道」をあらわしている。つまり調達した資金を、売掛金や手形などの流動資産で持って
いるとか、固定資産で持っている、あるいは投資勘定で持っているといったように、調達し
たお金の使い道をあらわしているのがバランスシートの左側なのである。
つまり、バランスシートの右側には資金の調達が書いてあるのに対し、左側にはその調達
した資金の使い道が書いてある。だからバランスシートは右側の合計と左側の合計が合って
いるのであって、合わなければ困るのだ。
このことは同時に、バランスシートの左側の数字を小さくすれば、右側の数字も小さくな
るということを示していよう。バランスシートの左側を有効に減らせば、右側の資金調達も
減ってくる。売掛金を減らせばそれだけ資金調達は減ってくるし、在庫を減らせばその分資
金調達がいらなくなる。
要するに、バランスシートの左側をいかにして少なくしていくかということが、企業をス
リム化し、贅肉を落とし、身軽な体質にしていく一番大きな要因となるのである。本来、企
業経営というものは、どれだけのお金を投資して、いくらの収益を上げるかということにか
かっている。そのためには、バランスシートの左側の資産内容をよく見て、無駄な要素を削り、
スリム化をはかって、金利のかかる金融調達を減らす。それで自然と利益は上がっていく。
さてバランスシートの構成が分かったところで、先ほど述べた収益性と安全性の自社の実
態のとらえ方について、もう少し詳しく説明する。
高収益体質を築く視点
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