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「流動」の意味

会社が安全な体質なのかどうかをつかむ一番の指標は、「流動比率」である。

もちろん読者の皆さんにとって、流動比率などは基礎も基礎、常識だとされる方も多いと

思う。しかしこの「流動」が何を意味するか、単なる用語の知識としてではなく社長の実務

として正確に知っておく必要があろう。そこで念のため説明しておこう。

どこの会社のバランスシートにも、流動資産とか流動負債ということばが出ているが、「流

動」とは、 一年以内という意味である。したがって、流動資産とは一年以内に回収される資

産、流動負債とは一年以内に決済する負債をいう。社長は、これを頭にたたき込んで、バラ

ンスシートの仕訳を正しくつかんでおくことが大事だ。

もう少し詳しくいえば、流動資産とは、現預金、売掛債権、在庫、その他で、 一年以内に

回収される資産であり、同じように流動負債とは、買掛債務、短期借入金、未払法人税、そ

の他で、 一年以内に決済しなければならない負債をいう。

商売というのは、ただ物を売っていればいいというわけではない。売ったお金を回収しな

ければ商売は成り立たない。この売掛金の回収にはどんなに長くても一年ということは通常

ありえない。また、商売には物を仕入れるという仕事もある。仕入れた以上はお金を支払わ

なければならない。それを一年以上の支払いということは原則的にありえない。さらに、仕

入れるだけ仕入れて、 一向に売れず、在庫を山積みにしておくようでは何のための商売か分

からない。したがって、在庫も最長一年以内で回転させることは常識である。

一年以上の在庫を持って商売ができるなどということは、そもそも考えられない。在庫は

粗利に対して何力月分という発想で持つべきだ。粗利率がどんどん減ってくる中で、売上や

仕入れに対して何力月分の在庫を持つなどということをやっていたら、その会社は黒字倒産

してしまうだろう。粗利率が減ってきたら在庫も減らす。わたしに言わせれば、適正在庫は、

業種・業態を問わず粗利に対して四カ月分である(なぜ四カ月なのかは、第八章で詳しくふ

れる)。

ともあれ、流動という意味をこのように一年以内と考えるのが、取引のひとつの約束ごと

である。それをしっかりと把握しておく。

社長は経理マンではないのだから、それ以上余分なことは深く追求する必要はない。むし

ろ、このようなポイントを確実に押さえておくことが、やがて不測の事態にもゆるがない企

業の安全な体質づくりに結びついていくのである。

さて、安全性の分析に話をもどそう。

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