長期計画の実践には、「好循環サイクル」が不可欠である。
そのためには部門長に実現可能な目標を示し、しかも日標を始ず逹成するよ
うに指導し、逹成した充実感を与えることが肝、ヽだ。
人はだれでも一つの目標を達成すると次の日標に挑戦する意欲がわいてく
る。日標逹戌から新たな目標設定までのサイクルが、会社挙げて絶えず塚次型
に上昇しつづけることが大事なのである。
この好循環をつくりだす過程で、社員の能力がおのずから高まり、同時に、
社長自身の先見能力や経営手腕が飛躍的に磨かれて、子期しなかった事態への
素早い対応や、より次元の高い事業曰標に挑戦することが可能となるのだ。
長期計画の実践を通して、社長の抱いていた素朴な野望や夢は、計算された
未来と確かな先見力となって、社長人生を甲斐のある楽しいものにする。
全社推進態勢のとり方
笛吹けど踊らず
当たり前のことだが、社長一人で仕事はできない。
社長の意図を十分に飲み込んで結果を出してくれる幹部がいて、はじめて仕事ができる。
社長の夢が叶うのである。
そこで社長のリーダーシップ、統率力が改めて問われることになる。いまもって徳川家康
の本がロングセラーを続け、書店の一コーナーが、人材活用のノウハウ書で必ず占められて
いるのをみても、世の中の経営者がいかに人の使い方に悩んでいるか、苦労しているか、う
かがえるのである。それだけ人の上に立つ人は、部下の「笛吹けど踊らず」という態度に苦
労しているようだ。
「どいつもこいつも自分が何をすべきかまるで分かっていない、わが社にはろくな幹部が
いない」、「やかましく指示しているのに、俺の思うように動いてくれない」と嘆かれる社長
がいる。それも決して少なくないようだ。
一方で部下は、「社長の言うことがくるくる変わる、まさに朝令暮改、思いつきであれやれ、
これやればかり」、反論しようものなら「企業環境は日々変わっているんだ、経営は学校の
勉強とは違う」と怒られる。しだいに意見を言う者はいなくなり、では、社長の指示命令が
通るのかといえば、「どうせ明日は逆のことを言う」と聞き流されてしまう。
肝心の目標設定にしても、「目標はあらかじめゲタをはかせて指示してくるから、こちら
もそのつもりで対処する、まともに受けている者はいない」、「目標の半分しか達成できずに
がっかりしていたが、社長はいくらの目標でもよかったような口ぶりでさらに気持ちが落ち
込んでしまった」というような例が、実際にわたしの耳に入ってくるのだ。
これでは業績を思うように伸ばせないのも当然ではないか。いくら人材活用の本や人心
収携の本を読んで知識だけ頭に入れても、社長の指示が場当たり的では、社員は思うように
踊ってくれないのである。
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