MENU

第五章 五年先までの利益計画の立て方

付加価値配分目標計画を通して打ち出された社長の方針は、具体的な金額日

標として「運営基本計画」にまとめられる。

ここにはじめて、長期売上高計画や長期利益計画などの、一般に見慣れた様

式が登場してくる。しかし表示されたすべての数字が社長のビジョン反映の結

果であることこそ、極めて大事な立案ポイントなのである。

そして「運営基本計画」の実現性を高めるために、売上高を「成長係数」を

用いて予測し、付加価値の比率が年々減ることを前提に、各科目の絶対額を算

出することが、計画達成の実務ポイントとなる。

長期利益計画を立てる

運営基本計画

第9表は、わたしが「運営基本計画」と呼んでいる表である。

ご覧いただいてお分かりのように、この表の様式は一般的な利益計画と大体同じである。

したがって、 一見するなり、「こんな表なら、わが社でもとっくに作っている」とおっしや

る読者も多いに違いない。損益計算書の項目をそのまま引き移して作った様式なのだから、

それもそのはずで、項目だけを見れば、典型的な従来の利益計画とどこが違うということに

なろう。

では、なぜ「運営基本計画」として、これを他の一般の利益計画と区別するかといえば、

賢明な読者は、前章までの説明ですぐにお察しいただけよう。

そこに明らかに経営発想の違いがあるからだ。社長は、いきなり「売上計画」や「利益計

画」から入ってはいけない。その前の段階で、まず「付加価値配分目標計画」を作成しなけ

ればならない。何度も説明したように、社長としての自分の役割を果たすために、付加価値

の配分を考え、社長としてのポリシーを「付加価値配分目標計画」として固めることが前提

なのである。

もっとも付加価値配分目標の数値は、あくまでも構成比であって、この段階では社長のポ

リシーを比率であらわしただけである。しかもそれが実現可能かどうかは、付加価値の配分

比率だけでは分からない。そこでその比率をもとにして、運営基本計画の営業利益、事業税

引当、営業外損益、特別損益、差引内部留保などの各項目欄を具体的な金額目標にして記入

しなければならない。

そのためには、将来の売上高と付加価値率の推移を予測して、付加価値がどうなるのかを

算出しなければならない。これから五年先、一〇年先までの年度別付加価値の額が決まれば、

それに比率を掛けることによって、自動的に各科目の金額目標が容易に設定できることにな

る。そうすることで、運営基本計画に書き入れられた数字はすべて、社長の役割意識やポリ

シーを反映した数字ということになっていく。

つまりこの手順こそが、長期計画成功の重要なノウハウのひとつといえる。そこに経理の

つくる計画と社長がつくる計画との根本的な違いが出てこよう。これが運営基本計画と呼ん

で、従来の利益計画と区別する最大の理由だ。

すなわち「運営基本計画」作成の手順としては、

①五年先までの売上高推移を予測し、

②付加価値(売上総利益)の推移を予測し、

③それに配分目標比率を掛け、各科目の金額を算出していくことになる。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次